館蔵資料の紹介 2009年
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ロシア・イコン
板・テンペラ
縦31.3×横27.0cm
1800年頃
祝祭のイコンとは、正教会の教会暦による祝祭をテーマとしたイコンである。祝祭ごとに事蹟を図像化したものや、このイコンのように主要な祝祭を組み合わせて構成したものもみられる。画面の中央には「キリストの復活」と「キリストの黄泉降り」があらわされ、これを囲む12図は「12大祭」をテーマにしている。12図は一番上の段の左から右の順に、以下の段も同様の順序で見ていく。内容は、上左から「聖母マリヤの誕生」「聖母マリヤの神殿参詣」「受胎告知」「イエスの誕生」「イエスの神殿奉献」「キリストの洗礼」「エルサレム入城」「キリストの変容」「キリストの昇天」「アブラハムの饗応」「マリヤの御眠り」「聖十字架挙栄」になっている。四隅の人物はいずれも福音記者で、左上はヨハネ、右上はマタイ、左下にマルコ、右下にルカが描かれている。各枠絵自体は小さいが、伝統的様式にしたがい、細密に描写されたイコンである。