館蔵資料の紹介 2008年
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楊斎延一(ようさいのぶかず)画
横山園松印刷・発行
和紙
木版色刷
72.6×48.8cm
明治23(1890)年
絵双六(えすごろく)は、紙に「振り出し」から「上がり」までの絵(マス絵)をつくり、サイコロを振って駒を進めながら上がりを目指すゲームである。
浮世絵師たちの絵による木版色刷の絵双六は、教訓、道中、芝居、歴史、名所、出世など多種多様な題材をもとに、江戸時代から明治時代にかけて盛んにつくられた。明治時代の後期以降は児童雑誌の付録として流行したが、第二次世界大戦後は、遊びも多様化していくなかでしだいに衰退していった。
明治時代の絵双六の特徴は、教育をテーマにしたものが多くみられることである。図版の絵双六は、男子の学校生活を題材に、入学から卒業までをマス絵にして構成している。作者の楊斎延一は橋本周延(ちかのぶ)の門人で、美人画や風俗画を得意とした歌川派の絵師である。画面には、当時の教育制度を背景にした子どもたちの学びの様子が描かれ、授業内容だけではなく、服装や持ち物などにも興味深いものがみられる。