館蔵資料の紹介 2006年
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エンリコ・プランポリーニ作
紙にパステル
エナメル塗料
49.5×60.5cm
1950年
藤沢武夫氏寄贈資料
プランポリーニ(1894-1956)はイタリアのモーデナに生まれた。ローマ美術学校で学び、1912年に〈未来派〉運動に参加した。〈未来派〉は詩人マリネッティが1909年に新聞で〈未来派〉宣言を発表し、翌年ボッチョーニ、カルラ、ルッソロ、バルラ、セヴェリーニがトリノで〈未来派〉運動宣言を行ったことからはじまった。この運動は新時代にふさわしい、速度とダイナミックな力をもつ機械文明の感覚を表現しようというものであった。
その後1919年に、チューリヒで〈ダダ〉に参加した。〈ダダ〉は第一次世界大戦の不安の中で、社会体制そのものを否定し、芸術行為によって体制を破壊しようという運動である。1931年には〈抽象-創造〉に参加しながら、独自の抽象表現を確立していった。プランポリーニは〈未来派〉の中でも数少ない非形象描写の抽象へと画法を進めた作家の一人である。カンディンスキー、モンドリアンらと交際し、しだいに構成主義的な方向に進んだ。