玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2005年

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群書類従 皇太神宮儀式帳

群書類従 皇太神宮儀式帳

塙保己一 集 社団法人温故学会 刊
木版墨刷 袋綴装
原刊 1786(天明6)~1819(文政2)年(本例は近年の増刷)
縦26.4×横17.8×厚1.2cm 71丁


塙保己一(はなわほきいち 1746~1821)は、5歳のときに失明しながらも、本人の努力と周囲の支えで、国学者として大成したことで知られる。『群書類従』は、保己一が自ら設立し、後に幕府の所管となった国学研究教育機関である和学講談所を拠点に、40年以上の歳月をかけて編纂した全666冊にも及ぶ大叢書である。国内各所に所蔵されていた文献を渉猟し、1,270余件に上る文献を25部門に分類して、足かけ 34年にわたって刊行した。今日でも日本史・日本文学の研究を行う際、本書の恩恵に与(あずか)らぬ者はないほどの、基本文献集といえる。

17,244枚に及ぶ群書類従の版木(国指定重要文化財)は、東京・渋谷の温故学会にすべて保管されている。現在でもこの江戸時代の版木から、注文に応じて摺り立てが行われており、誰でも必要とする巻を新たに手に入れることができる。本資料も、当館で展示するため、こうして入手したものである。

「全人」2005年11月号(No.688)より

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