玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2005年

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ヱノホン掛図

ヱノホン掛図

文部省
60.0×84.0cm
1941(昭和16)年


国定(文部省著作)教科書期(1903(明治36)年から1945(昭和20)年)に図画・工作の教授用掛図が刊行されたのは、1941(昭和16)年以降である。国民学校令をみてもわかるように、この時期は視覚に訴える教育を重視したことから、ほかにも国民科修身・同国語(第1~2学年)・理数科算数をはじめ、芸能科音楽・同裁縫などの掛図も次々と刊行されている。

図画・工作においては、『ヱノホン掛図』『初等科図画掛図』『初等科工作掛図』『国民学校芸能科図画鑑賞指導用掛図』『国民学校色彩指導用掛図』が学年ごとに用意された。内容は表現、技法、道具、構造、色彩などの参考や説明用のもの、そして作品を鑑賞する能力を養うことも大切に考えられたことから、鑑賞教材が加えられている。

『ヱノホン』(絵の本、教師用)の「掛図編纂の趣旨」のなかには、鑑賞教育の重要性が認められていても、実施されることが少なかったと指摘されている。当時は大都市のように博物館などのある地域を除いて、鑑賞教育に用いる教材を得ることが困難だったためである

「全人」2005年10月号(No.687)より

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