館蔵資料の紹介 2003年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2003年 > 教草 第十二 葛粉一覧
丹波修治識 中嶋仰山画
博物局発行
木版色刷 38×51cm
1873(明治6)年
1873(明治6)年、日本は4月から8月までオーストリアのウィーンで開催された万国博覧会に参加した。その参加準備の段階で、各府県から提出された出品物の図説をもとに、博物局が諸産物の製造過程を中心に図解したものが「教草(おしえぐさ)」である。
当時の博物館設立構想には、博物館としての重要な目的である「実物に即した知識の開明」のほかに、さらに詳しい資料情報の提供方法として、書籍や絵図類の刊行計画があった。「教草」もその一つであり、幼いうちからさまざまな産物の概略を知ることは、将来必ず産業の興盛につながると考えたのである。「教草」は1872(明治5)年から1874(明治7)年にかけて34枚製作されたが、この版木のうち、「第一」から「第二十四」図までを1875(明治8)年7月3日の内務省の火災で焼失した。焼失分については、同年の9月以降に内容面で校訂増補、図画の訂正などを加えて再刻されている。