館蔵資料の紹介 2003年
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マリオ・ラディチェ作
キャンバスに油彩 64.5×50.0cm
1969(昭和44)年
藤沢武夫寄贈資料
ラディチェは1898(明治31)年にイタリアのコモで生まれた。最初は獣医学を修めたが、1912(明治45)年から18(大正7)年にかけてコモの美術学校で絵画を学び、またコモ在住の画家に指導を受けたという。彼が画家として活動をはじめたのは1930(昭和5)年以降で、翌1931(昭和6)年から1932(昭和7)年にかけてはフランス、ドイツ、スイスを旅行し、パリではフェルナン・レジェと親交を結んだ。旅行から戻ったのちは、ミラノで美術誌『クアドランテ』を共同で創刊し、編集をつとめた。
抽象と空間を研究したラディチェは、未来派運動の後期に大きな貢献をしたことでも知られている。作品としては、一つの集合体として配列した幾何学的形態を多く制作した。絵画以外にも、1933(昭和8)年から1938(昭和13)年にコモで、壁画、レリーフ、モザイクなどを組み合わせた建築プロジェクト、1939(昭和14)年から1943(昭和18)年にかけてはC. カタネオとともに教会建築にたずさわるなど、幅広い活動を行っている。