館蔵資料の紹介 2002年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2002年 > 詩人YASCOシリーズ
海老原省象画
キャンバスに油彩 61×91cm
1984年頃
海老原肇寄贈資料
海老原省象(1908~1992年)は1925(大正14)年、岡田三郎助に師事し、 1928(昭和3)年から太平洋画会研究所、そののち川端画学校でも学んだ。そしてその頃岡田の参加していた燕巣(えんそう)会の同人であった藤島武二、梅原龍三郎にも師事している。戦後は宮城県の尚絅(しょうけい)女学院短期大学で美術教育にたずさわるとともに、水彩連盟や新象作家協会などの美術団体を中心に活動を続けた作家である。
彼の作品は人物や風景などを対象にしたものから、昭和30年代を境にしだいに抽象的なものへと変化していった。上掲の作品は昭和50年代後半から制作した<詩人YASCOシリーズ>のうちの1点である。画面は色面で分割され、そこに川田靖子氏のフランス語の詩を配して構成している。微妙な色合いは、大理石の粉を混ぜた絵の具を何度も塗り重ねてつくりだされたものである。