館蔵資料の紹介 2002年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2002年 > ハンス・リヒター作 コラージュ
紙にステンシル、コラージュ
27.5×22.0cm
1974(昭和49)年
藤沢武夫寄贈資料
リヒター(1888-1976)はドイツの前衛的映画の製作者であるとともに、画家としても知られている人物である。ベルリン大学で短期間建築を学んだ後、ベルリンの造形美術大学とワイマールの造形美術大学で美術教育を受ける。1916(昭和元)年から3年間チューリッヒに住み、その間<ダダ>運動に加わった。1919(大正8)年からはヴィキング・エッゲリングと共同で実験映画の製作を始め、1921(大正10)年に『リズム21』をつくった。
1927(昭和2)年には、カシミール・マレーヴィッチとの共同製作による映画のための準備スケッチをする。
その後多くの映画プロジェクトにかかわるが、1940(昭和15)年に戦火を逃れて渡米し、絵画制作に活動の中心を移した。かたわら、『金で買える夢』『8×8』『ダダ・スコープ』など有名な映画もつくっている。絵画では長い巻物状の紙の上にいくつものイメージを構成した作品や、写真、新聞、フェルト、紙などの素材のコラージュによる作品を多く制作した。