玉川大学教育博物館 館蔵資料の紹介(デジタルアーカイブ)

教育博物館では、近世・近代の日本教育史関係資料を主体とし、広く芸術資料、民俗資料、考古資料、シュヴァイツァー関係資料、玉川学園史及び創立者小原國芳関係資料などを収蔵しております。3万点以上におよぶ資料の中から、月刊誌「全人」にてご紹介した記事を掲載しています。
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館蔵資料の紹介 2000年

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初代のパイプオルガン

初代のパイプオルガン

キンボール社製(アメリカ)


礼拝堂の初代のパイプオルガンが引退し、同じような形の新品に変わったことをご存知ですか。

実は今から10年も前の平成2(1990)年3月に取り替えられていたのです。現在のものは色は少々明るくなりましたが、化粧直しされたのかと思うほどそっくりに作られています。

引退したオルガン(正しくは演奏台)は、現在教育博物館で展示され、訪れる卒業生たちとの出会いにその余生を送っています。

このオルガンは、玉川学園がこの地に誕生した翌昭和5(1930)年から6年にかけて、欧米の教育事情視察の旅に出られた小原國芳先生がアメリカで購入されたものです。「宗教教育には欠くことが出来ない」と購入を決断されたそうですが、購入に至る現地での御苦労のにじむ先生の試算メモが残っており、そのコピーもオルガンの横に展示してあります。

購入の際10年の年賦による支払いを申し出られた先生に相手は、年賦なんて前例がないと断ってきたそうですが、先生は即座に「アメリカにも前例という言葉があるのか。前例なしに飛行機は飛んだではないか」と一蹴し、年賦を認めさせてしまったそうです。当時のパイプは今もなお美しいバロックの音色を礼拝堂いっぱいに響かせてくれています。

学校法人 玉川学園 Puente 2012.06 vol.02別ウィンドウでリンク

「全人」2000年2月号(No.620)より

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