館蔵資料の紹介 1999年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 1999年 > いろはカルタ
(左)「いろはカルタ」昭和9年製作
(左下)「小学地理かるた」昭和9年製作
(右下)「小学國史かるた」昭和13年製作
カルタの語源はポルトガル語のCARTAと考えられ、万葉仮名で加留多、賀留多、歌留多とも書く。
江戸時代に庶民の間から生まれた「いろはカルタ」は、七五調四句のいろはうた(色は匂へど散りぬるを・・・云々)を基本として、48文字(最後の一文字に(京)がついて48文字となるが、何故つけられたかは不明)を頭につけて読んだ教訓や諺を集めたものであるが、関東と関西の言葉を比べると多少異なる。
例えば、いろはカルタの中で最も知られている「犬棒カルタ」の(い)は、関東で「犬も歩けば棒にあたる」が関西では「一寸先は闇」、また関東で(ろ)は「論より証拠」が関西では「論語読みの論語知らず」と歌われているのが一般的で、東西の生活習慣や気質の違いが判っておもしろい。
また、昭和初期に作られた暗記用「小学國史かるた」および「小学地理かるた」は、47種の言葉が尋常小学校の課程に準拠し、重要な点が簡明な文章によって網羅されている。
例えば「小学國史かるた」の(い)は「家康開く江戸幕府」と歌われ、国の歴史や歴史上の人物が理解でき、「小学地理かるた」の(い)は「印度から来る綿と鉄」と、日本をはじめ世界の地理や特産物等を知ることができる。何れも遊びながら読み札の言葉を耳から暗記させ、容易に知識が得られることを目的とした教育的なカルタである。