Guest Speaker
2005年秋学期に開講している「国際理解教育」に、玉川学園高等部で倫理と政経を教えていらっしゃるそあい先生をお招きしました。2004年度より、留学生も参加してのWorld Studies in Englishもはじまりました。昨年度の2003年度、2004年度やそあい先生のWorld Studiesの授業(日本語)も確認しておいてください。そあい先生は、この授業の参考文献で使っている「地球市民を育む教育」の著書であるトロント大学(カナダ)のDavid Selby先生(現在は英国プリマス大学)のもとで学ばれました。
当日の内容
そあい先生とKevin先生の"World Studies in English"の授業を見学した後、World Studiesについて説明をしていただきました。学生達も実際に、そあい先生が高等部でされるアクティビティにも参加し、そあい先生の参加型学習を実体験させていただきました。
- World Studies in English見学:
授業は、いつものように世界の多様な言語の1つを使って挨拶することから始まりました。その日は、デンマーク語の"God dag"でした。今日の授業は、一連の"Peace"についての授業の1つで、兵役を拒否したイスラエルの18歳の少年の決断についてビデオ(NHK スペシャル)を見た後にDiscussionをしました。先生は、"What is peace?" "Is that an absense of violence?" と質問を投げかけます。留学生や帰国生が多いクラスなので、英語でDiscussionを進めていきます。日本語で考えても難しいトピックですが、高等部生達も一生懸命に英語で自分の考えを伝えようとしていました。
- World Studiesまでの道のり:
そあい先生は、学生時代にタイに行ったことが大きく影響しているとおっしゃりました。タイのスラム街の幼稚園や施設を訪れた時、物質的には豊では無かった彼らでしたが、彼らの眼が輝いて「眼がきれいだった」ことが強く印象に残ったそうです。その後、色々な研修などにも参加していくうちに、カナダ留学を決意されました。カナダのグローバル教育の第一人者であるデイヴィッド・セルビー教授にセミナーを通して知り合い、彼のもとで学ぼうと決心されました。今、授業の中でもメディアを取り上げられていますが、「ステレオ・タイプの途上国のイメージを打破したい!」という思いがあったそうです。学生からの質問に「開発教育はWorld Studiesに入るのか?Global Educationとの違いは?」といった質問も出ました。そこで、アメリカで多く使われる用語、イギリス・カナダでよく使われる用語などがあげられ、Global Education(イギリスやカナダではWorld Studiesの方が一般的)という1つの傘の下に国際理解教育、多文化教育、反差別教育が位置すると考える人達もいるが、専門家の間でもその境界線をはっきりと引くことは難しいという説明もしていただきました。現在、高等部で開講しているWorld Studiesは、文系の生徒なら誰でも選択できるそうです。現在、33人が受講していますが、来年は25人づつ、2クラスに分ける予定だそうです。
- Activity 「平和のメッセージ」
封筒の中に、(1)1つの文章を3つにカットしたもの、(2)そのメッセージを言った人物の名前が、5セットづつ入っています。これを並べかえて正しい順にし、人物の名前と結び付けるアクティビティをし、「平和」についても様々な人々が様々な表現をしていることを実感しました。例えば、「"平和への道"というものがあるのではない。平和は、"道"そのものである。M.ガンジー」といったような文章が5セットづつ入っています。できあがった文章の意味や作者の意図、背景などについてディスカッションするのも理解を深めていく上でとてもいいアクティビティになっていました。
そあい先生、本当にありがとうございました。