館蔵資料の紹介 2021年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2021年 > 五戸町立五戸尋常高等小学校建築設計図・資料31点のうち校舎平面図(縮尺200分の1)
三戸郡五戸町役場 紙、鉛筆(一部ペン書き)
1925(大正14)年頃 縦70.6×横92.7cm
1900(明治33)年制定の小学校令施行規則では、学校に屋外体操場(グラウンド)と屋内体操場(体育館)を設けることを定め、屋内体操場は土地の情況で欠くことができるとした。本資料は、青森県五戸(ごのへ)町立五戸尋常高等小学校(現同町立五戸小学校)が、1925(大正14)年に校舎を一部新築移転した際の、建築設計図である。図中下方の横長の建物が新築の本校舎で、その右側に既存校舎の屋内体操場を移設し、一部増築を行った。現在の学校の体育館は、体操場と講堂の機能を兼ねる場合が多いが、本例では、本校舎の左に、講堂が別に造られている。
本資料の特長は、設計図のほかに、仕様書と工事費の積算表もある点である。これにより施設の規模・構造・工法・人工(にんく)数などの、詳細を知ることができる。屋内体操場は、旧校地から恐らく曳家(ひきや)で移動させた建坪60坪のものを基に、桁行(けたゆき)2間分拡張して72坪(約238㎡)とし、さらに付属の運動器具置場など4室24坪分を増築した。屋内体操場関連の工事費は、人件費込みで5、145円68銭(物価換算で現在の2、000万円強)と見積もられていた。