館蔵資料の紹介 2015年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2015年 > 新版 學校運動雙六(すごろく)
武川卯之吉画工・出版 木版色刷
縦36.8×横48.0cm 1887(明治20)年
この錦絵は、小学校における体操、運動、遊戯などを26図で構成した絵双六である。絵双六は、「振りだし」にはじまり、サイコロを順に振り、出た目にしたがって駒を進めてゴールの「上(あが)り」を目指すゲームである。複数名で行い、早く上がった者から勝ちの順番がつく。
新版 學校運動雙六では「振りだし」が「学校へ行(いく)」、以後「はたおい」「あがりさがり」「なわひき」「なげうつし」「はねつき」「なげまり」「まりつき」「おにごっこ」「てふれん(調練)」「たけくくり」「とびこし」「てんとうさま」「ぶらさがり」「なわくくり」など、螺旋状にまわって「運動會」で「上り」になっている。「泊」という印がついた絵では1回休みになり、「上り」では出た目に合わないと前に戻るなど、簡単に上がれないような工夫がなされている。当時の子供たちが学校で行っていた体操、運動、遊戯の様子を知ることができる貴重な資料である。