館蔵資料の紹介 2004年
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マッシモ・カンピーリ作
キャンバスに油彩
縦45.5×横55.0cm
1957(昭和32)年
寄贈:藤沢武夫
カンピーリ(1895-1971)は、20世紀のイタリアを代表する画家の一人として知られている。フィレンツェで生まれた彼は、ミラノでジャーナリストとして働き、やがて独学で絵画を制作しはじめ、1919(大正8)年から画家として本格的に活動をはじめた。1919(大正8)年から1939(昭和14)年まではパリを拠点に活動し、パリやニューヨークなどで作品を発表した。
最初キュビスムの影響を受けた作品から出発したが、カンピーリの作品を支配しているものは過去に対する強い憧憬である。特にエトルリア美術とポンペイの壁画から受けた影響は、独特な空間表現となってあらわれている。カンピーリは女性像を配した構図を好み、女性をアンフォラ(古代ギリシャの二つの把手をもつ容器)のように描いた。また遠近法、明暗、ボリュームなどにとらわれない表現も特徴的で、終始独自の詩的世界をつくり続けた。