館蔵資料の紹介 2001年
玉川大学教育博物館 > 館蔵資料の紹介 > 2001年 > 薔薇の聖母
ロシア・イコン
板にテンペラ
17世紀
46.0×60.0cm
このイコンは両開き扉付き祭壇形で、内部中央に神聖をあらわす冠をかぶり赤と白の花がさく棘のない薔薇をもつ聖母とイエス・キリストが描かれている。聖母はホディギトリア型と呼ばれるスタイルである。紅蓄薇は殉教、白薔薇は純潔、棘のないことは聖母が原罪を免れている象徴である。中央上部にはプラテュテーラ型の聖母子、聖母子の左側縁飾り部分には守護天使、右側に殉教女が配置されている。左扉内側には上から聖母マリアの誕生、キリストの誕生・復活・昇天・変容、マリアの眠りを配し、右側扉には上からマリアの神殿参詣、キリストの神殿奉献・洗礼・エルサレム入城、ラザロの復活、キリストの傑刑が措かれている。