Special Lesson by Mr.Gabor Tarkovi
at Tamagawa Gakuen November 17th, 2004
ベルリンフィルハーモニーオーケストラの第一トランペット奏者のガボール・タルコビさんが、初めて玉川学園を 訪問してくださいました。ベルリンフィルのバイオリニストであるアマデウスさんが、音楽の先生からのリクエストにおこたえくださり、今回のレッスンが実現 しました。アマデウス先生もガボ−ル先生も、玉川をとても気に入ってくださり、次に来日する時にも可能な限り、また玉川に帰って(「来る」ではなく「帰りた い」と表現されてたので)きたいとおっしゃってました。世界一の澄んだトランペットの音色に、生徒も先生方も息をのんで聴いていました。「僕は、優しい人 間ですから、緊張して堅くならなくても大丈夫ですよ。」と緊張する先生方や生徒達に優しくお声をおかけくださいました。以下、当日のスケジュールとレッス ンの様子です。
Schedule:
16:00
Solo trumpet lesson
- M. T. (junior high school student)
Herbert Clarke, A MEMORY SWEET MIDST BATTLE'S ROAR- M. Y. (high school student)
English Suite / Transcribed by R.Bernard Ftzerald
1. Prelude, 3. Pastoral, 5.Finale- M. A. (high school student)
J.S.Arban, Fantasie Brillante Theme. var.1 var.217:30
Recess
休憩
17:40
Demonstration
Hydn, Trumpet Concerto, 第2楽章
Telemann, Sonata D-major , 第3楽章18:00
Q&A
レッスンの様子:
中学生、高校生の3人がソロのレッスンを受けました。息をたくさん吸って吐き出すこと、口の横から息がもれな いようにチャックで口の横を閉じるようにしてふくこと、また歌うように演奏することをアドバイスされていました。「息をたくさん吸い込み、コンプレッサー のように息を思いっきり吐き出し、チャペルの後ろのドアが君の息で開くくらいのつもりで吹いてごらん。」と何度も息をたくさん吸い込んで見せて下さいま す。レッスンを受ける生徒と一緒に呼吸をされ、先生の呼吸の音に合わせながら、生徒が演奏する音もみるみる変わっていきました。
呼吸の練習では、紙を壁に手で押さえて置き、自分の息だけでその紙が壁から落ちないようにする方法なども実演 してくださいました。また、生徒の前でメロディを歌ってみせ、「君も歌ってごらん。」と歌わせます。すると、次に生徒が演奏した時にはトランペットが歌っ ているかのように滑らかな音に変わりました。
生徒からの質問で「基本的な練習はどんなことをしますか?」という質問には、すぐにご自身の練習の仕方や練習 内容を紹介してくださいました。「朝起きたら、部屋中の空気を自分の肺一杯に吸い込んでしまうかのように呼吸をして始めます。」と、ご自信の練習でも呼吸 を大切にされていることを話されました。レッスンの最後には、前日に上野の文化会館で演奏されたマーラーの5番(オーケストラのトランペット奏者にとっ て、とても緊張するソロの一つである 曲で、来日公演のプログラムに取り上げられたのは、カラヤン時代の来日以来)の冒頭部を特別に演奏してくださいました。
音楽の先生方との食事会では、アマデウスさんと同じように、ガボール先生も「音楽をする人間は音楽だけではい けません。まず、人としてきちんと躾けられなくてはいけません。音楽を学ぶということは、躾や鍛練(discipline)にもつながっている。」とおっ しゃっていました。
ガボールさんの履歴:
- 1969 ハンガリーのEsetergomに生まれる。
- 10才までお父上(トランペット奏者)から音楽を学ぶ。
- ブダベストにあるフランツ・リスト・アカデミーでFrigges VoraslyとGyorgy Gerge(スペルが読みづらいため不正確かも)について学んだ。
- 1994-2000 ベルリン・シンフォニーオーケストラのsolo trumpet player
- 1998-2003 Baveria Radio Symphonic Orchestra のsolo trumpet player
- 2003- ベルリン・フィルハーモニーの第一トランペット奏者になる
- Maurice Andre コンクールで優勝