第64回 談話会 (2010年10月27日/グローバルCOE 第32回 若手の会談話会)
社会性認知の脳メカニズムに関する考察
嶋田 総太郎 氏(明治大学理工学部・専任准教授)
明治大学の嶋田総太郎先生にミラーシステムを中心とした脳内の社会認知のモデルについてご講演をしていただいた。ミラーシステムは、電気生理学の研究によって発見されたミラーニューロンからインスパイアされたモデルである。ミラーニューロンは、自分がある行動をする時にも、他者の同様の行動を観測するときにも発火するニューロンであり、他者と自己をつなぐ架け橋となると考えられている神経基盤である。近年のイメージング研究により、人の脳にも同じ様なシステムが存在することが明らかにされており、このようなシステムを総称してミラーシステムと呼ばれている。多くの先行研究はミラーシステムの現象に注目してきたのに対して、嶋田先生はミラーシステムの背後にあるメカニズムをより具体的に理解し、コミュニケーションにおける役割をより具体化しようとしているところが大変、印象的であった。また主に計算論を研究している玉川の研究者が講演会で質問することにより、より嶋田先生の考えているメカニズムが多角的に捉えられたのは非常に双方にとって有意義であった。またこの講演会を機に、玉川と嶋田先生との共同研究の話が立ち上がり、今後につながる講演会となった。
日時 | 2010年10月27日(水)17:00〜18:30 |
---|---|
場所 | 玉川大学8号館第一会議室 |
報告者 | 高橋 英之(玉川大学グローバルCOE研究員) |