談話会報告

第9回 談話会 (2005年11月30日/21世紀COE 第9回 若手の会談話会)

人名想起によって生じる
舌端現象の脳内メカニズム

近藤 洋史 氏(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)


知っている有名人の名前などを想起できない舌端現象(TOT)において、記憶検索の負荷と『もどかしい』という情動の検出には前部帯状皮質と前部島皮質が関連しています。

舌端現象とは、自分が知っている確信があるにもかかわらず、思い出せないという心的状態を指す。記憶検索の失敗には「もどかしさ」のような情動 反応をともなうと想定されるが、その脳内メカニズムは明らかでない。

本研究では、event-related fMRIによって不快感情がともなう検索失敗に起因する脳活動を調べた。課題は、有名人の顔画像から名前を想起するというもの だった。その結果、前部帯状回、前部島皮質、下前頭回、頭頂間溝、視覚領野に活動が認められた。とくに、前部帯状回と前部島皮質はそれぞれ記憶検索の負荷および不快な情動の検出に関連していた。これらの結果から、帯状回-島領域の神経回路が自己モニタリング・システムを担っていると示唆される。


条件づけ味覚嫌悪反応

藤原 浩樹 氏(玉川大学)


条件つけ味覚嫌悪学習をもちいていろいろな反応を見ている

動物にとって食物や水分などの摂取は自らの生命を維持していくためには必要不可欠である。しかし、自然界には生命に危険な毒物も存在しており、動物は何らかの方法で毒物の摂取を未然に防がなければならない。仮に誤って有害物を体内に取り込めばそれは致命的なことになりかねない危険性をも含んでいる。味覚と内臓感覚の対提示によって生じる学習を味覚嫌悪学習という。発表では条件づけ味覚嫌悪反応について紹介する。

日時 2005年11月30日(金)

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