談話会報告

第8回 談話会 (2005年10月28日/21世紀COE 第8回 若手の会談話会)

自閉症児における共同注意の評価・介入と
その神経基盤の検討

直井 望 氏(慶應義塾大学)


自閉症の子どもを対象に、指さしや視線方向を促すための介入プログラムを構築しています

自閉症児において、共同注意の理解、表出の障害が報告されている。

本研究では、(1)自閉症児と言語発達年齢を一致させた健常児群において、共同注意の理解の遂行に有意差は見られるか、(2)自閉症児において、特に視線理解の困難さが見られるか、(3)自閉症児において、共同注意の理解に障害があった場合、応用行動分析的な介入によって改善が可能か、という3つの観点から検討を行った。

また、共同注意の基盤となる神経科学的メカニズム、近赤外分光(NIRS)によって分析する試みについても発表予定である。


Two Neuronal Mechanisms for Perception of Sound Duration Change
音長差の認知に関わる二つの神経機構

岡崎 俊太郎 氏(慶應義塾大学)


音長差の検出には、変化の検出と差の大きさの検出の2つのイベントがあります

音長の変化の認知は、コミュにケーションや危機の察知に必要である。この認 知機構における音長の変化の検出に関わる神経機構について調べるため、我々は麻酔下のモルモットを用いて音長差の認知に関わる事象関連電位について調べた(duration MMN)。

その結果、過去の知見とは異なり、音長の増加・減少によって、duration MMNの特性が異なることが分かった。また、音長が長くなる課題において二種類のMMNが観測された。一つは音長の短い刺激と比べ長くなり始めた瞬間に対応して現れる成分であり、もう一つは音長の長い刺激の終了時刻に対応 している成分であった。これらの事象関連電位は変化の検出と差の大きさの検出に関わる神経機構を示唆している。

日時 2005年10月28日(金)

談話会報告一覧に戻る TOP