談話会報告

第6回 談話会 (2005年7月21日/21世紀COE 第6回 若手の会談話会)

古典的条件付けにより
大脳皮質聴覚野に生じる可塑的変化の光計測

井出 吉紀 氏(玉川大学)


恐怖条件付けによって、条件づけされた音刺激に対する聴覚野の応答領域が拡大する

音と電気刺激を用いた恐怖反応条件付けと呼ばれる、パブロフ型古典的条件付けを行うと、大脳皮質聴覚野細胞の受容野が大きな可塑的変化を起こすことが、数多くの研究により報告されている。

本研究では、神経活動による膜電位変化を直接かつ広範囲に記録できる膜電位感受性色素を使用した光計測法を用い、聴覚野に生じる可塑的変化について調べた。今回の発表では、それらの結果についてご紹介します。


Kanizsa刺激において
Saccadic Compression現象は生じるか?

則武 厚 氏(玉川大学)


視空間のSaccadic compressionはKanizsa刺激において生じる

我々ヒトは、より多くの空間情報を摂取するため、1秒間に3〜4回程度のサッカードと呼ばれる急速眼球運動を行っている。このようなサッカードの前後では網膜像が急激に変化しているため、我々の視覚システムはその急激な変化に完全には対応できない。そのような破綻を示す例として、実際に呈示された位置と異なる位置に知覚する現象(Saccadic mislocalizationやSaccadic compression)があげられる。

本発表では、サッカード前後に生じるこれらの現象に関する過去の研究の紹介を行った後、サッカード前後における空間表象がどのような情報を利用しているかを調べるために行った幾つかの実験結果について述べる。特にSaccadic compression現象を扱った実験結果に焦点を当てて紹介する予定である。

日時 2005年7月21日(木)

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