第3回 談話会 (2005年4月21日/21世紀COE 第3回 若手の会談話会)
外側前頭前野ニューロンにおける
正の動機付け、負の動機付けの影響
野元 謙作 氏(玉川大学)
報酬によって強化される学習と罰によって強化される学習では、反応するニューロンが違う
この十数年で動機付けの神経基盤の理解は大きく進んだ。その契機となったのは報酬を獲得しようとする正の動機付けに関連する脳神経活動についての研究だった。一方、嫌悪刺激を避けようという負の動機付けに関連する脳神経活動についての報告は少ない。
我々は報酬と嫌悪刺激の条件を操作した認知課題を訓練し、覚醒下で課題遂行中の外側前頭前野ニューロンの活動を記録した。
今回の談話会ではこの実験の結果を中心に話す予定です。
ラット海馬CA1領域の連合性LTP誘導機構
山崎 吉之 氏(玉川大学)
時空間学習則とは何かについて熱弁する
フィールドポテンシャル計測法を用いて、海馬CA1放線層の独立した二つの経路へそれぞれ低頻度(0.2Hz)のバースト刺激とパルス刺激を同時に与えたときに後シナプス樹状突起に形成される連合性LTPの大きさについて検証した。
本研究では、灌流液中に低濃度(10-20nM)のTTXを混入し、樹状突起の逆伝播活動電位を消滅させた状態でも、パルス刺激のみを与えた場合と比べて有意な連合性LTPが形成されることを示した。このような連合性LTPの逆伝播活動電位からの独立性は、時空間学習則の妥当性を実験的に証明するものである。
日時 | 2005年4月21日(木) |
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