第2回 談話会 (2005年3月24日/21世紀COE 第2回 若手の会談話会)
行動タスク中に海馬CA1野が果たす役割とは
−ラットを用いた実験−
高橋 宗良 氏(玉川大学)
ニューロンが活動することにより、予測を修正し、その結果状況に適応した行動が可能になる
大脳皮質直下に位置する海馬は、記憶情報の想起・統合プロセスに深く関与していると考えられている。我々は数種類の行動課題を学習させたラットを用い、課 題遂行中における海馬のニューロン活動を計測することで、報酬獲得のためのルー ル(=記憶情報)想起と海馬の活動の関連性を調べている。これまでの実験で海馬の出力部に相当するCA1野のニューロンにはエラー反応に選択的な活動を示す タイプが存在することなどを確認した。本発表ではこれらの特性を踏まえ、海馬 CA1野が記憶情報処理プロセスに果たす役割について考えてみたい。
眼球運動とfMRI
松田 哲也 氏(玉川大学)
困難であったfMRIと脳波の同時記録を成功させ、覚醒水準を客観的にモニターした上での分析を実現しました』と主張
今回のセミナーでは(1)fMRIと脳波の同時記録法の開発とその応用、(2)統合失調症患者の眼球運動と神経回路異常の2点についてお話したい。
(1)についてはfMRI撮像中に脳波同時記録を行い、眼球運動課題遂行時の覚醒水準をモニターし、覚醒水準と脳賦活領域との関連について検討した結果について報告する。
(2)については、統合失調症患者にエラーがみられる眼球運動課題を行ったときのfMRIの撮像を行い、精神症状と神経回路異常の関連性について検討した結果について報告する。
日時 | 2005年3月24日(木) |
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