英語リテラシーを取っています。授業には関係ないのですが、小学校の英語はどういうことを教えるのですか?文法の過去形などはやるのですか?文法ならどのようなものをするのですか?それとも、会話中心ですか?気になったので、教えてください。
小学校での英語教育は言語教育としての英語ではなく、コミュニケーション能力の育成とか国際理解を深めることを目的に総合的な学習の一環で導入されています。なので、具体的な文法を教えることを目的としていません。歌やゲーム、アクティビティを中心に進めているところが多いです。でも、だからといって小学校の先生の文法や英語についての知識が乏しくては、それらのゲームやアクティビティが十分に活かされず、なんとなく遊んだだけの時間に終わってしまいます。子供が「一時的に楽しい」だけでは、せっかくの授業がもったいないです。子供の興味・関心が続いていくように先生も色々と勉強しなくちゃいけないんです。多くの先生方は色々工夫をしながら、本当によくがんばってらっしゃるんですよ。参考までに、小学校の新学習指導容量で示されている小学校における外国語については以下のように書かれています。
第1章:総則 第3「総合的な学習の時間の取り扱い」5-3
「国際理解に関する学習の一環としての外国語会話などを行うときは、学校の実体などに応じ、児童が外国語にふれたり、外国の生活や文化などに慣れ親しんだりするなど小学校段階にふさわしい体験的な学習が行われるようにすること」
小学校段階にふさわしい「体験的な学習」は楽しいけれど、それぞれの体験に繋がりを持ちながら発展していくものでないと「お遊び」で終わってしまいます。1年、1年、何を子供達が身につけていけるのか、そして小学校6年間でどのようなことを身につけていくのかしっかり計画することが大切なんです。そのためには、先生は色々なゲームや歌を知っているだけでは続きません。国際理解と言っても、外国だけに目を向けるのでなく、自分達の身の周りにある異文化、日本の中にある異文化、日本人同士の間にある異文化についても目を向けていかないと表面的な「国際理解」になってしまいます。また、小学校で行う英語教育の場合、外国人講師の先生とTeam Teaching (ティームティーチング)をすることが多いかと思います。その時にも先生が英語である程度コミュニケーションできないとTeamとして一緒に授業をつくることが難しくなってしまいます。
玉川大学教育学部で行っている英語教育は大学生としての教養としてだけでなく、将来教師になりたいというみなさんに外国人講師と一緒に授業を計画・実施できる先生、子供達の興味・関心にあわせて英語の教材や授業の内容を変化させられるような先生になるための下積みとして行われているんですよ。もっと小学校の英語教育について知りたければ、いくつか本を貸してあげますよ。研究室に取りに来て下さい。