Guest Speaker
李 原翔 (Li Yuan Xiang) 先生
2011年の「異文化理解と教育」では、神奈川県立地球市民かながわプラザ「あーすぷ
らざ」で外国人教育相談をされている李
原翔先生にお話をいただきました。李先生は、中国の師範学校を卒業された後、教員として高校生に数学を教えていらっしゃいました。ご結婚をきっかけ来日さ
れ、色々な異文化経験を通して、外国人として日本で生きていくことの大変さを日々実感されています。現
在、2人のお子様を育てながら、学芸大学大学院の博士課程での研究、また在日中国人の方々の教育相
談などの支援も続けられています。
当日は、中国語での挨拶で始まり、日本で使う漢字とは異なる使い方、音について教えていただきました。その後、日本の高校進学率が過去最高の98%となっ
ている一方、外国人生徒の高校進学率の低さ、不登校や未就学の問題など、日本社会で見えにくいマイノリティの子供達の現実について具体的にお話くださいま
した。学校文化や学校観の違いが、在日外国
人の子ども/家族と学校の先生との間に誤解に発展しまうことなど、実際に相談を受けている在日中国
人の母親や子供の具体的な事例をあげながら説明してくださいました。教師が「当たり前」だと思って
いることも、多様化した学校では、きちんと確認していける機会を設けること、コミュニケーションが難しい時には李先生のような支援員の協力を得ながらお互
いの文化を理解していくことが大切であることを教えていただきました。ま
た、生活言語と学習言語の違いにも触れ、安易に「やれている」と担任が判断して支援をやめてしまうことが、その子供の将来の進学にも大きな影響力を持つこ
とについてお話くださいました。在日外国人に限らず、様々な支援を必要としている子どもが増えてい
る学校現場では、教師の持っている「当たり前」で判断しないことは、マ
イノリティとして生きた経験のない多くの教師にとっての
大きな課題と言えるでしょう。履修者は、小学校教員を目指している学生なので、近い将来に確実に役
立つ貴重なお話を伺うことができ、多様な子ども達への支援や学びについて今後深めていく機会となりました。
李 原翔(Li Yuan Xiang)先生 、お忙しい
中、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。