玉川大学出版部の本


<高等教育シリーズ135>
戦後日本の高等教育改革政策 -「教養教育」の構築-

土持ゲーリー法一(弘前大学21世紀教育センター高等教育研究開発室教授)著

A5判上製・400頁
定価 :7,350円(税込)
発行年月 :2006年1月
ISBN :ISBN4-472-40327-7 C3037
ジャンル :高等教育

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戦後の大学改革政策はどのような理念の下で、そしてどのようにして決定されたのか。アメリカ型をモデルとした「一般教育」や「単位制」が本来の精神からはずれ、高等教育改革が混迷していく過程を、未公開の一次史料や当事者へのインタビューに基づいて究明する。今日の高等教育と教養教育のあり方を原点に立ち返って論究。

主な目次

はしがき

序章  
主題
方法
1   史料
2   先行研究
3   視点
一章   四年制大学の一元化
 『米国教育使節団報告書』と高等教育改革
1   『報告書』の意義
2   『報告書』の高度教育に関する勧告
3   第四委員会「スティーブンス文書」
4   師範学校の四年制化
日本側教育家委員会報告書と高等教育改革案
1   日本側教育家委員会 - 南原繁の役割
2   日本側教育家委員会報告書と高等教育改革案
3   日本側教育家委員会「報告書」の提出をめぐる謎
4   「戦後における学校制度案」 - CI&E教育課オアの検証
東京帝国大学教育制度研究委員会と高等教育改革案
教育刷新委員会 - 「旧制高等学校」存置をめぐる攻防
二章   大学基準協会と女子のリベラルアーツ・カレッジ
CI&E教育課の高等教育改革政策
大学基準協会の設立をめぐる混迷
1   『米国教育使節団報告書』の示唆
2   CI&E教育課の混乱
3   チャータリングとアクレディテーションの混乱
4   チャータリングとアクレディテーションの分離と変容
5   大学評価
女子大学の誕生
1   CI&E教育課と文部省の攻防
2   女子リベラルアーツ・カレッジの模索
3   ホームズと神戸女学院
4   女子大学連盟の結成と役割
5   国立女子大学の設立
三章   米国人文科学顧問団の来日 - 人文科学研究の強化
人文科学研究の欠落
顧問団の成立経緯および報告書の作成
1
2
3
4
5
  日本側からの人文科学者招聘の要請
団員の人選経緯
報告書の概要および執筆担当者 - 「マーティン文書」
米国人文科学顧問団日本側委員長南原繁の役割
日本側の影響を受けた最終『報告書』の内容
『報告書』の影響
1
2
3
4
  人文科学研究の強化
『日本国憲法』第八九条および第二三条との矛盾の解消
図書館の強化
人文科学研究のための啓発活動
顧問団の影響力
四章   アメリカの大学におけるゼネラル・エデュケーション改革の動向
「ゼネラル・エデュケーション」の歴史的動向
シカゴ大学におけるゼネラル・エディケーションの理念と実践
1
2
3
4
5
6
7
  歴史的および社会的背景
創設者ハーパーの理念と実践
改革者ハッチンスの理念と実践
ハッチンスの大学改革論「大学を救う道」
カリキュラム編成の特徴 - 一九四〇〜四一年版『シカゴ大学学報』
大実験の挫折と新たな挑戦
日本の高等教育改革との関連
ハーバード委員会報告書『自由社会におけるゼネラル・エデュケーション』
1
2
3
  歴史的および社会的背景
大学基準との関連
ゼネラル・エデュケーションと社会科との関連
ゼネラル・エデュケーションの実践 - ハーバード・カレッジの場合
五章   「一般教育」の混迷一理念の欠落
混迷の源泉
1
2
3
4
5
6
7
  “General Education”の由来
「一般教育」か「一般教養」か
『米国教育使節団報告書』 - リベラルアーツ・カレッジの模索
『報告書』と上原専祿
日本側教育家委員会報告書 - 「一般教育」理念の欠落
旧制高等学校 - 「高等普通教育」の限界
旧制大学に対する批判
一般教養科目の導入過程
1
2
3
4
5
6
7
  大学基準協会と教育刷新委員会
大学基準協会と一般教養科目
大学基準の改訂
ゼネラル・エデュケーションとマグレール
「一般教育」と「専門教育」
一般教養科目の配置方法
大学設置基準の制定
米国対日工業教育顧問団 - 人文・社会科学の二系列カリキュラムの提言
1
2
3
  顧問団の来日
『報告書』と「ゼネラル・エデュケーション」に関するカリキュラム
和田小六の一般教育論―東京工業大学における教育改革
韓国における高等教育改革とゼネラル・エデュケーションの意義
ドイツにおける高等教育改革とゼネラル・エデュケーションの意義
「一般教育」の混迷の原因
六章   単位制の形骸化-「自学自修」の精神の欠乏
単位制の誤解
単位制の導入過程
1
2
3
  単位制の起源
大学基準協会と大学基準
ウィグルスワースの「新制大学の概念」
大学設置基準の制定と単位制
大学設置基準の大綱化と単位制
単位制の形骸化の原因
七章   短期大学の成立経緯 - 「旧制高等学校」の温存の阻止
発足期の混乱
米国教育使節団と「ジュニア・カレッジ」論
1
2
  米国教育使節団
第二次米国教育使節団
教育刷新委員会における短期大学論議
1
2
  教育刷新委員会における論議
「トレーナー文書」のなかの「ジュニア・カレッジ」論
占領軍当局の動向
1
2
3
4
  教育刷新委員会連絡委員会の記録
トレーナーの『回顧録』
GHQにおける「ジュニア・カレッジ」論議
イールズと「ジュニア・カレッジ」論争
河井道と短期大学
1
2
  日本側教育委員会委員 - 女性委員の人選
河井道と短期大学
『学校教育法』と短期大学設置基準
1
2
3
4
  『学校教育法』の一部改正
短期大学「恒久化」の論議
短期大学設置基準
短期大学設置基準の大綱化
短期大学の活路 - コミュニティ・カレッジとしての役割
八章   大学院改革の挫折 - 「論文博士」の温存をめぐる攻防
論文博士の存続をめぐる混乱
占領下の高等教育改革政策における大学院改革
1
2
  日本側教育家委員会と南原繁
大学院教育に対する米国学術顧問団の批判
教育審議会および教育刷新委員会における大学院論議
1
2
  教育審議会における大学院論議
教育刷新委員会における大学院論議
CI&E教育課の内面指導 - 大学基準協会における大学院論議
1
2
3
  大学基準協会への内面指導―「基準委員会議事抄録」
大学院基準の起案
学位に関する事項の決議
論文博士に対するCI&E教育課と日本側との攻防
1
2
3
  大学設置審議会第八特別委員会小委員会からの要請
大学設置審議会第八特別委員会への回答
課程制大学院改革の不徹底 - CI&E教育課高等教育班内部の葛藤
韓国における論文博士の改革 - 旧制への決別
新制大学院の使命 - 自立した研究者養成のための課程制大学院
結章  
本書の概要
「挫折」の原因
課題と展望
1
2
3
4
5
  「二一世紀高等教育」のプロローグ
「一般教育」と「単位制」の再構築
教授法の研究・開発 - FD活動の促進
二一世紀日本の高等教育と教養教育
将来展望 - 学士課程教育における優れた授業実践


あとがき
索引

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