日本産Hypomyces属菌とそのアナモルフ I
常盤俊之*・奥田 徹 *(株)エヌ・エム・ジー
Hypomyces 属菌は子嚢菌の核菌類ボタンタケ科に属し、様々な菌類の子実体に寄生する。本属菌は、寄主上でテレオモルフである子嚢果とアナモルフの両方またはいずれか一方を形成し、そのアナモルフはCladobotryum、Sepedonium、Verticillium等複数の属に分類される。演者は新規有用物質の探索を目的とし、1)他の生物との関わりがあることからより分化した代謝 系が期待でき、2)培養が困難で、3)これまであまり利用されていない本属菌にターゲットを絞り、採集分離を試みた。その過程で、主にハラタケ科子実体に寄生するHypomyces3種について分類学的検討を行った。H. armeniacus Tul.は日本新産種である。H. luteobirens (Fr.: Fr.) Tul.は本邦未報告ではないが、これまで詳しい紹介はなく、今回採集した標本では、子嚢胞子の大きさに記載との差異が認められた。またH. hyalinus (Schw.: Fr.) Tul.の子実体はKOH(-)とされているが、変色するモノもあった。
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2001/07/19
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