アジアは熱い!
−アジア菌学会の天然生理活性物質スクリーニング・セッションに出席して−
奥田 徹
バイオサイエンスとインダストリー 58: 671-672, 2000
生物多様性とバイオテクノロジーをテーマにアジア菌学会2000(AMC2000)が2000年7月9日から13日、香港大学で開催された。菌類の多様性に関する多くのセッションに加え、天然物スクリーニング、2次代謝産物など応用分野のセッションも2コマ組まれた。その中に、タイのNational Center for Genetic Engineering and Biotechnology (BIOTEC)、シンガポールのCentre for Natural Products Research (CNPR)、オーストラリアのExGenix社における活動の紹介があった。タイは自国の豊富な天然資源を利用し自前の研究を展開、シンガポールはGlaxoWellcome社とシンガポール政府、大学が三者一体になった天然物研究センターを設立し、オーストラリアは遺伝資源保有国かつ利用国という利点を生かしスクリーニング会社を独立させた。いずれも昨今の生物多様性条約(CBD)にのっとった別々の生き方の象徴でもある。これらについて解説してみたい。なお、日本からは田辺製薬(株)創薬研究所における菌類由来の生理活性物質探索の成果が、同社主任研究員、西尾真樹氏によって紹介された。
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2001/07/19
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