Ⅰ.英語で言いたいことが言えるようになるために
―日本人英語学習者のための日英パラレル・コーパス―

 この「日本人英語学習者のための日英パラレル・コーパス」は、中学、高校の英語の授業で行われているコミュニケーション活動で、学習者が英語で言いたかったのだけれど言えずにあきらめてしまった表現を集めて作成したものです。

 特に高校生が英語で言いたかった表現については、以下のURLをご覧ください。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/izumishs/

 作成過程は以下の通りです

 使い方は、「このような表現を英語でどのように言うのかな」というときにこの日英パラレル・コーパスから検索ツールを用いて欲しい情報を取り出します。

日本人英語学習者のための日英パラレル・コーパスを、日々の英語の授業で活用していただき、学習者に少しでもお役に立てればこれに勝る喜びはありません

この日本人英語学習者のための日英パラレル・コーパスを公開するにあたり、多くの人たちのご協力をいただきました。
コミュニケーション活動の授業を実施され、学習者からの質問データを寄せてくださった、佐藤浩希氏(川崎市立公立中学校教諭)、茅野恵理香氏(東大阪市立公立中学校教諭)、魚本大地(東京都公立中学校教諭)、渡邊崇氏(宮城県公立高校教諭)に御礼申し上げます。
英文の吟味にご協力いただいたPhilip Rowland氏(玉川大学)、Steve Lia氏(玉川大学)、また、EasyConc.fmp12、FlashCard.fmp12、EasyConc for Teacher Talk.fmp12、FlashCardE.fmp12,ReadingTool.fmp12の開発に御協力いただいた内藤清志氏、FlashCardE.fmp12,ReadingTool.fmp12のイラストを描いて下さった丸林咲里氏、EasyConc.xlsmの開発に御協力いただいた大村あつし氏、EasyConc for Accessに御協力いただいた北村広志氏(玉川大学)、「正規表現検索ⅲ」の掲載許可を下さった日和佐康一氏に心から御礼申し上げます。

開発したソフトウエアとその特徴

本プロジェクトの「日本人英語学習者のための日英パラレル・コーパス」は、科学研究費補助金研究の支援を受けています。

(玉川大学 日䑓(ひだい) 滋之(しげゆき))


1.iPadまたはiPhoneで、FileMaker Goを用いた検索の方法

―中高生が気軽に英語表現を探せます!

(1)はじめに、iPadまたはiPhoneへFileMaker Goのインストール

FileMaker Go 13 for iPad & iPhoneをiPadまたはiPhoneへインストールします。FileMaker Go 13 for iPad & iPhoneは無料でインストールできますが、iOS 6以降で稼働します。詳細はファイルメーカー株式会社のサイトをご確認ください。
http://www.filemaker.co.jp/products/filemaker-go/

(2)次に、PCからiPadまたはiPhoneへデータファイルのインポート <方法1>

①下記のURLにアクセスし、「EasyConc6.4.fmp12」をPCのデスクトップにダウンロードします。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc7.3.fmp12
ダウンロードするファイル:Latest Release EasyConc7.3.fmp12
             Older Versions EasyConc7.2.fmp12
                     EasyConc7.1.fmp12
                     EasyConc7.0.fmp12
                     EasyConc6.4.fmp12
                     EasyConc6.3.fmp12
                     EasyConc6.2.fmp12
                     EasyConc6.1.fmp12
                     EasyConc6.0.fmp12
                     EasyConc5.0.fmp12
                     EasyConc4.1.fmp12
                     EasyConc4.0.fmp12
                     EasyConc_v.3.4.fmp12
                     EasyConc_v.3.3.fmp12
                     EasyConc_v.3.2.fmp12
                     EasyConc_v.3.1.fmp12
                     EasyConc_v.3.0.fmp12
                     EasyConc_v.2.0.fmp12
                     EasyConc.fmp12

②ダウンロードしたEasyConc6.4.fmp12をFileMaker GoへiTunes経由でインポートします。次のようにします。
・iPadとPCをUSBケーブルで接続します。
・「iTunes」のデバイスから該当するiPadを選択して、「App」タブの「ファイル共有」欄から「FileMaker Go」を選択します。
・「FileMaker Goの書類」にPCのデスクトップにある「EasyConc6.4.fmp12」をドロップして、「同期」ボタンをクリックします。

(3)Webサイト(http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/)からEasyConc6.4.fmp12のファイルをiPadにダウンロードする(保存)する方法 <方法2>

・iPad/iPad miniの「Safari」アプリでWebサイトにアクセスします。保存したいEasyConc6.4.fmp12をタップします。
・「"FileMaker Go”で開く」が表示されますので、「"FileMaker Go”で開く」をタップします。
・FileMaker Go にEasyConc6.4.fmp12がダウンロードされ、FileMaker Goのアプリに追加されます。

(4)検索方法

①起動方法(EasyConc_v.3.2.fmp12を例に説明します。)
iPadまたはiPhoneのアイコンをタッチし、「EasyConc_v.3.2.fmp12」を開きます。
起動画面は以下の通りです。


②スタート画面
EasyConcを使用する機器(iPhoneまたはiPad)を選択しますと、以下のように表示されます。iPhoneでは横向きに使用されるのがよいと思います。

・Searchボタン:検索画面に移動します。
・View_Bookmarkボタン:Bookmark一覧を表示します。
・Send_Mailボタン:メーラーが起動し、特定のメールアドレスにメールを 送る準備をします。

③検索画面
次に、Searchボタンをクリックすると以下のように表示されます。


・English入力域 :検索文字列(English)を入力します。
・Japanese入力域 :検索文字列(Japanese)を入力します。
・Category選択域 :カテゴリーを選択します。
・Searchボタン :検索を開始し、ヴュー画面に移動します。
・Startボタン :スタート画面に戻ります。

※複数ワードでのand検索は単語の間にスペースを入れ検索してください。
※カテゴリー選択 および 文字列の複合検索を行う場合、カテゴリーの選択を行ってから文字列を入力してください。

④英単語を入力し、検索してみましょう。
例えば、Englishの欄に、「soccer game」と入力し、Searchをクリックすると以下のように表示されます。


・Bookmarkチェックボックス :必要に応じてBookmarkします。
 Bookmark一覧を表示するときは一度Start画面に戻りView_Bookmarkボタンをタッチしてください。
・Delete Bookmarkボタン :画面表示されている全件に対しBookmarkを消去します。
・Searchボタン :Search画面に移動します。
・Startボタン :Start画面に移動します。

⑤今度は、日本語を入力し、検索してみましょう。
例えば、「立ち読み」と入力し、Searchをクリックすると以下のようになります。


⑥Categoryから話題を検索してみましょう。
学習者からの質問を15のカテゴリーに分類してあります。Categoryの欄をタップすると、15項目の話題が表示されます。そのどれかを選択し、Searchをタップすると、その話題に含まれる日本語の質問と英語表現を検索することができます。
Category検索では、学習者が話題毎にどのような英語表現を難しく感じているのか知ることができます。


さて、iPadまたはiPhoneを用いたEasyConcの使い方の概略は以上の通りです。中高生の皆さんがこんなとき英語でどういったらよいのかなと思うとき、日本語または英語の語句をSearch欄に入力し、検索してみてください。
EasyConcは現在開発中です。Searchして必要な情報が得られない場合、使い方がよくわからない場合などは、Send_Mailボタンでお知らせください。

(5)Flash Cards機能を用いて語彙を増やす

EasyConc4.0.fmp12とFasyConc4.1.fmp12には、今までのSearch機能とView_Bookmark機能に加えて、Flash_Cardの機能がついています。Flash_Cardは、語彙を習得するのに役立つ機能です。iPadでの使い方を例に説明します。

①「Flash_Card 英⇒日」は、英語の語句を見て、日本語を言う活動です。受容語彙のトレーニングとなります。
・Randomボタンを選択すると、ワードリストの語句の順番通りに表示されます。手動で進めます。
・Sequentialボタンを選択すると、ワードリストの語句の順番とは違って、無作為に語句が表示されます。手動で進めます。
・Auto 3sボタンを選択すると、語句が自動で3秒間毎に表示されます。

②「Flash_Card 日⇒英」は、日本語を見て、英語を言う活動です。表現語彙のトレーニングとなります。
・Randomボタンを選択すると、ワードリストの語句の順番通りに表示されます。手動で進めます。
・Sequentialボタンを選択すると、ワードリストの語句の順番とは違って、無作為に語句が表示されます。手動で進めます。
・Auto 3sボタンを選択すると、語句が自動で3秒間毎に表示されます。

③Flash_Cardの機能に盛り込まれている語彙について
EasyConcの日本語表現を樋口耕一氏の開発したKH Coder (http://koichi.nihon.to/psnl/)を使用して、日本語の頻度リストを作成し、頻度の高い日本語表現とそれに対応する英語表現からEasyConc4.0.fmp12のFlash_Card用のワードリストを作成しました。下記の表は、日本語表現で質問が多い語句を頻度順に並べた一部です。語句の右側の数字は出現頻度を示します。


(6)複合検索機能を用いて、柔軟な検索を行う

EasyConc6.0.fmp12以降には、複合検索機能 (compound retrieval) が追加されています。英語でも日本語でも複合検索が可能です。複合検索は10項目あります。「And」または「Or」検索の機能を選択することにより柔軟な検索が可能となります。なお、EasyConc6.0.fmp12以降には、csvインポート、エキスポート機能はありません。
「Compound_Retrieval」を選択すると、複合検索のウインドウが現れますので、検索語を入力します。

例 検索語として、「元旦」、「神社」、「初詣」、「おみくじ」、「お年玉」を入力した例

(7)KWIC (Key Word In Context) 表示機能の追加

EasyConc7.0.fmp12からKWIC (Key Word In Context) 表示機能を追加しました。EasyConc7.0.fmp12以降では、EasyConc_Start画面で、「Easy_KWIC」ボタンを選択することによって、検索結果をKWIC (Key Word In Context) 表示で見ることができます。このKWICを目視することで、検索語とその検索語の右隣に続く語のパターンをコロケーション情報として知ることができます。
EasyConc6.4.fmp12では、KWIC表示の機能がないために語句の共起情報を知るために目視に頼らざるを得ないことから、共起情報を見落としてしまうことがあります。
EasyConc7.0.fmp12以降では、教師はKWIC表示の情報から、学習者が英語で言えなかった表現は何か、そして英語で言えるようになるためにどのようなコロケーション情報を授業でインプットしたら良いのかを知ることができます。
検索する際には、以下の点について留意してください。
・検索語は、「@」や「*」の記号は使用できません。例えば、takeを検索する場合には、take、takes、taking、took、takenを各ボックスにそれぞれ入力し、検索します。(ワイルドカードや正規表現は使用できません。)
・各ボックスに入力された検索語は、完全一致で自動的にOr検索されます。
・KWIC表示では、検索語( node)の右隣の語は自動的にalphabetical orderでソートし、表示されます。

検索方法
実際に、iPhoneでEasyConc7.2.fmp12のEasy_KWI機能の使い方について説明します。すでにiPhoneにEasyConc7.2.fmp12がインストールされているものとします。
・EasyConc7.2.fmp12を起動すると以下のように表示されます。


・Easy_KWICの機能を使用しますので、Easy_KWICをタップしてください。以下のように表示されます。


・ここには、仮にgoとその変化形の語が表示されていますが、一度「Clear」ボタンをクリックし、語句を消去します。

検索する語句の入力
検索したい語をボックスの中に入力します。例えば、takeとその右隣にどのような語が来るのか調べたいとします。ボックスの中にtake、takes、taking、took、takenを入力します。そして「Search」をクリックします。


KWIC (Key Word In Context) による検索表示
下記のように検索結果がKWIC表示されます。下記の図は一部抜粋したものです。共起情報に着目すると、takeとその変化形には、 a hot bathやa bathが続いていることがわかります。


Bookmarkの使い方
以下のように「Bookmark」にチェックをつけます。


「View_Bookmark」をクリックすると、Bookmarkにチェックを入れた英文をまとめて表示することができます。


さらに、「Export」をクリックすれば、自動的にeasykwic.csvが作成され、PCに送信することができます。PC側で、easykwic.csvのファイルをExcelで開くとワークシート作成に活用することができます。

(8)実用性に特化したEasyConc for iPhoneの開発と活用
  -英語教育用例文としての活用

教室での表現活動で、生徒が英語でどう表現したらよいかわからず、教師に質問することはよくあることですが、教師が適切に即答できることはそう多くはないと思います。そのような時に、ノートパソコンを起動させ、Webから情報を得たり、あるいは、辞書を持っていればその場で辞書を引くことになりますが、そのような場合に限って適切な表現に出会うことは意外と少ないものです。そのような時こそEasyConc for iPhoneの真骨頂を発揮するときと言えるかもしれません。
EasyConc for iPhoneは、EasyConc.fmp12と比較し機能を絞り込みました。EasyConc for iPhoneは教室での表現活動や廊下で生徒から質問されたときにとっさに答えられるpractical useに適したツールです。EasyConc for iPhoneをポケットに入れておけば、いつでもどこにでも持ち歩き活用することができます。
①EasyConc for iPhoneは、landscape mode(横向き)で使用します。
②EasyConc for iPhoneでは検索結果を「表形式」にして、検索したい表現を一望に見渡すことができます。
③EasyConc for iPhoneは、複合検索にも対応しています。
 下記のURLにアクセスし、「EasyConc for iPhone.fmp12」をダウンロードします。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc for iPhone1.8.fmp12
ダウンロードするファイル:Latest Release : EasyConc for iPhone1.8.fmp12
             Older Versions : EasyConc for iPhone1.7.fmp12
                     EasyConc for iPhone1.6.fmp12
                     EasyConc for iPhone1.5.fmp12
                     EasyConc for iPhone1.4.fmp12
                     EasyConc for iPhone1.3.fmp12
                     EasyConc for iPhone1.2.1.fmp12
                     EasyConc for iPhone1.2.fmp12
                     EasyConc for iPhone1.1.fmp12
                     EasyConc for iPhone1.0.fmp12

(9)視認性を一層高め、実用性に特化した EasyConc for iPad の開発
  -英語教育用例文としての活用

iPadの広い画面は、検索語を含む英文を一望に見渡せる便利さがあります。EasyConc for iPadは、EasyConc.fmp12の機能を絞り込み、landscape mode(横向き)での使用となります。
EasyConc for iPad1.6.2.fmp12以降からは、中学(j)、高校(s)、大学(u)の校種別に語彙を検索する機能を追加しています。データ数が増えてくると検索結果の中から必要とする表現を見つけ出すのに骨が折れます。中学校では、「j」を指定し、高校であれば「j」と「s」の両方にチェックを入れて検索することをお勧めします。
EasyConc for iPad1.6.2.fmp12を起動し、「Start」ボタンをタップすると以下のウインドウが現れます。

「Compound_retrieval」をタップすると、以下のウインドウが現れます。


下記のURLにアクセスし、「EasyConc for iPad.fmp12」をダウンロードします。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/Easyconc for iPad1.6.2.fmp12
ダウンロードするファイル:Latest Release : Easyconc for iPad1.6.2.fmp12
             Older Versions : Easyconc for iPad1.6.fmp12
                     Easyconc for iPad1.5.fmp12
                     Easyconc for iPad1.4.fmp12
                     EasyConc for iPad1.3.fmp12
                     EasyConc for iPad1.2.1.fmp12
                     EasyConc for iPad1.2.fmp12
                     EasyConc for iPad1.1.fmp12
                     EasyConc for iPad1.0.fmp12

(10)さらに進化した EasyConc for iPad2.0.fmp12以降の使い方
  ―英語の読み上げ機能の追加 【Claris FileMaker Go 19以降で動作】

EasyConc for iPad2.0.fmp12からは、検索した英文を読み上げさせることができます。英語で言えなかった表現を読み上げする機能を追加したことにより、中学生、高校生はもちろん大学生まで幅広く英語の発音について確認することができるようになりました。Self-studyに活用してください。

EasyConc for iPad2.0.fmp12以降で、英語の読み上げ機能を利用する方法
・最初にApp StoreからClaris FileMaker Go 19をiPadにインストールしてください。
・続いて、下記のURLにアクセスし、「EasyConc for iPad.fmp12」をダウンロードします。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc for iPad2.5.fmp12
ダウンロードするファイル:Latest Release : EasyConc for iPad2.5.fmp12
             Older Versions : EasyConc for iPad2.4.fmp12
                     EasyConc for iPad2.3.fmp12
                     EasyConc for iPad2.2.fmp12
                     Easyconc for iPad2.1.fmp12
                     Easyconc for iPad2.0.fmp12

【検索方法】
検索ボックスに、「神社」「おみくじ」を入力
Searchでは、Or検索を選択
SearchEJでは、日本語で検索なのでJapaneseを選択
SearchJSUでは、j(中学生)とs(高校生)からの質問を選択
最後にSearchをタップ。

【検索結果の英文を読み上げさせるために】
No.または英文をタップ。ここでは167をタップし、選択。
次に、▶をタップすれば英文を読み上げてくれます。

2.EasyConc for Teacher Talkの開発と活用

―英語の授業を英語で進めるための一工夫

英語の授業は英語で進めていきたいというのは英語教師としての素朴な願いでもあるし、教室内での教師と生徒とのインタラクションは教室内における英語によるリアルコミュニケーションを行う場面でもあります。生徒からすれば、先生の英語によるinputによってたくさんの英語に触れるよい機会にもなります。この分野の先行事例として、東京都中学校英語教育研究会・研究部の『語彙と英語教育(16)』(1992年刊行)~『語彙と英語教育(24)』(2000年刊行)の9年間にわたるTeacher TalkとStudent Talkの実践研究は特筆すべきものがあります(http://www.eigo.org/kenkyu/)。
これまでのTeacherTalkの紙ベースの研究とは、切り口を変えて、より一層ユーザーフレンドリーなアプリケーションとしてEasyConc_for_TeacherTalk1.0.fmp12を開発しました。

本ソフトウエアのVersion 1.1までは、データ数も少なく非力でしたが、EasyConc_for_TeacherTalk2.0.fmp12からは、工藤洋路氏(玉川大学)、太田洋氏(東京家政大学)、阿野幸一氏(文教大学)の三氏の協力を得て、3大学の英語教員養成課程の学生を対象に模擬授業、教育実習で、英語で言いたかったけれど言えなかった表現を授業後に日本語で書いてもらい、それを教師が英語に直し、一対一対応にし、データーベースを構築し、大幅にデーターベースを増加しています。
EasyConc for Teacher Talkは、英語(English)、日本語(Japanese)、学年(Category)、活動場面・状況(Category 2)、さらに複合検索(Compound Retrieval)という5つの検索機能を備えています。
なお、本研究はJSPS科研費 JP16K02980(基盤研究C:英語教員養成課程における英語力および指導力の統合型自律的学修プログラムの開発 研究代表者:工藤洋路)の助成を受けています。

EasyConc for TeacherTalk2.2.fmp12からは、Text to Speechの機能を使って英文を読み上げる機能がつきました。検索し表示された英文をタップし、▶をクリックすることで英文を読み上げてくれます。
なお、EasyConc for TeacherTalk2.2.fmp12以降の開発にあたっては、2.1を引継ぎ、着想・データ収集について日䑓、プログラミングは内藤清志氏が担当しました。本研究は、JSPS科研費19K00771(基盤研究(C):日本人中高生のための英語表現コーパスの構築とその活用 研究代表者:日䑓滋之)の助成を受けています。


(1)はじめに、iPadまたはiPhoneへFileMaker Goのインストール

Claris FileMaker Go 19をiPadまたはiPhoneへインストールします。Claris FileMaker Go 19は無料でインストールできます。

(2)Webサイト(http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/)からEasyConc_for_TeacherTalk.fmp12のファイルをiPhoneまたはiPadにダウンロードする(保存)する方法

・iPhoneまたはiPadの「Safari」等のアプリで下記のWebサイトにアクセスします。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc_for_TeacherTalk2.3.1.fmp12
ダウンロードするファイル:Latest Release: EasyConc_for_TeacherTalk2.3.1.fmp12
             Older Versions: EasyConc_for_TeacherTalk2.2.2.fmp12
                     EasyConc_for_TeacherTalk2.2.1.fmp12
                     EasyConc_for_TeacherTalk2.2.fmp12
                     EasyConc_for_TeacherTalk2.1.1.fmp12
                     EasyConc_for_TeacherTalk2.1.fmp12
                     EasyConc_for_TeacherTalk2.0.fmp12
                     EasyConc_for_TeacherTalk1.1.fmp12
                     EasyConc_for_TeacherTalk1.0.fmp12
・保存したいEasyConc_for_TeacherTalk.fmp12をタップします。
・「"FileMaker Go”で開く」が表示されますので、「"FileMaker Go”で開く」をタップします。
・FileMaker Go にEasyConc_for_TeacherTalk.fmp12がダウンロードされ、FileMaker Goのアプリに追加されます。

(3)検索方法

EasyConc for TeacherTalk2.1.fmp12を用いて説明します。

①起動方法
iPhoneまたはiPadのアイコンをタッチし、「EasyConc_for_TeacherTalk2.0.fmp12」を開きます。
起動画面は以下の通りです。

②スタート画面
EasyConcを使用する機器(iPhoneまたはiPad)を選択しますと、以下のように表示されます。iPhoneでは横向きに使用されるのがよいと思います。

③検索画面
・Searchボタンをクリックして、英単語(あるいは日本語)を入力し、Teacher Talkを調べます。日本語の表現からそれに対応する英語表現を検索してみます。
例えば、「4人グループを組んで下さい」と言いたいとき、「グループ」をJapaneseのボックスに入力します。以下のようにします。

ここで、Searchをクリックすると以下のように表示されます。

④複合検索でTeacher Talkを調べる方法
ペアワークに関連するTeacher Talkの表現について調べてみます。Compound_Retrievalを選択すると、複合検索の画面になります。makeとpairをボックスに入力してみます。And検索を選び、English検索にします。

ここで、Searchをクリックすると以下のようになります。

⑤Categoryの機能を活用してTeacher Talkを調べる方法
以下のような調べ方もできます。
・Categoryの「▽」を選択すると、j1(中学1年)、j2(中学2年)、j3(中学3年)が表示されます(下図を参照)。学年を選択し、Searchを選択すると、どの学年の生徒に対してどのようなTeacher Talkを用いるかすべて調べることができます。

・Category 2の「▽」を選択すると、活動場面(ハンドアウトの配布など、ペアワーク、グループワーク、音読など)が表示されます(下図を参照)。調べたい活動場面を選択し、Searchを選択すると、選択した活動場面でどのようなTeacher Talkを用いるかすべて調べることができます。

3.EasyConc.xlsmを用いた検索の方法

―先生がworksheetを作成するときに便利です!

(1)プログラムのダウンロードについて

下記のURLにアクセスし、「EasyConc.xlsm」をダウンロードします。デスクトップに保存しておくと便利です。
EasyConc5.0.xlsmより、中学、高校、大学の学年指定をして検索ワードを検索することができるようになりました。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc5.4.1.xlsm
ダウンロードするファイル:Latest Release EasyConc5.4.1.xlsm
             Older Version EasyConc5.4.0.xlsm
                    EasyConc5.3.3.xlsm
                    EasyConc5.3.2.xlsm
                    EasyConc5.3.xlsm
                    EasyConc5.2.2.xlsm
                    EasyConc5.2.1.xlsm
                    EasyConc5.2.xlsm
                    EasyConc5.1.xlsm
                    EasyConc5.0.xlsm
                    EasyConc_v.4.4.xlsm
                    EasyConc_v.4.3.xlsm
                    EasyConc_v.4.2.xlsm
                    EasyConc_v.4.1.xlsm
                    EasyConc_v.4.0.xlsm
                    EasyConc_v.3.0.xlsm
                    EasyConc_v.2.0.xlsm
                    EasyConc_1.xlsm

(2)検索方法

面倒な操作はいりません。ここでは、EasyConc_v.4.4.xlsmを用いて説明します。

① EasyConc_v.4.4.xlsmをダブルクリックし、起動します。このとき、「i保護ビュー 注意―インターネットから入手したファイルは、ウイルスに感染している可能性があります。編集する必要がなければ、保護ビューのまましておくことをお勧めします。」と表示されることがありますが、「編集を有効にする」をクリックします。続いて、「iセキュリティの警告 マクロが無効にされました。」と表示されますが、「コンテンツの有効化」をクリックします。

②続いて、CtrlキーとKキーとを同時に押して、マクロを立ち上げます。下図を参照してください。


③検索ワードの1~10に順番に語句を入力します。検索語は10語まで使用できます。例えば、「~対・・・で試合に勝った」と言うときの英語表現を調べたいときには以下のように入力します。


最後に、AND検索にチェックを入れてOKをクリックします。検索ワードの入力では、Tabキーを使用すると検索ワード間をすばやく移動することができます。

④Sheet2に下記の検索結果が表示されます。


ここでは、検索ワードに日本語を用いましたが、英単語を入力しても検索することができます。試してみてください。

(3)授業で用いたWorksheetの作成過程

英語による発信型日本文化がよく話題にされます。日本のお正月に関連する英語表現を検索してみましょう。検定教科書ではページ数の制限もあり、カバーしにくく、中・高生から英語でどのように言ったらよいのか質問を受けます。

①検索例
検索ワードに、「元旦」、「神社」、「初詣」、「おみくじ」、「お年玉」と入力し、「Or検索」にチェックを入れて、検索してみましょう。


②検索結果
以下のようにヒットします。


③ Worksheet例
検索結果から、落語の「三大噺(さんだいばなし)」の手法を用いてworksheetを作成してみます。Worksheetの実践例は以下の通りです。

Challenge!
こんな表現を知っていると便利です。


三大噺(さんだいばなし)
上の表現例を参考に、「元旦」、「おみくじ」、「大吉」に相当する英語を用いて、5文以上でお話を作り、英語で書いてみましょう。

4.「正規表現検索」を用いた検索の方法

(1)プログラムのダウンロードについて

下記のURLにアクセスし、「正規表現検索2.64」をダウンロードします。
http://srcedit.pekori.jp/tool/excelre.html

「正規表現検索2.64」を解凍し、インストールの指示に従って、コンピュータにインストールしてください。ここでは、インストールされていることを前提として話を進めます。

(2)データファイルのダウンロードについて

下記のURLにアクセスし、EasyConcをダウンロードしてください。デスクトップにダウンロードしておくと便利です。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/easyconc_140423.xlsx

(3)検索方法

①CtrlキーとRキーとを同時に押して、「正規表現検索」を起動させ、「抽出」タブをクリックします。下の図を参照ください。

‘win’、’wins’、’won’を含む英文を検索したい場合には、次のように入力します。
 「検索する文字列」\bwin\b|\bwins\b|\bwon\b
 (注)・「\b」は単語の境界を示す記号です。「|」は「または」の意味を表します。
    ・なお、winとwinsはwins*で1つにまとめることができます。その場合には次のように入力します。
     「検索する文字列」\bwins*\b|\bwon\b
     「抽出元列」   B
     「抽出先列」   D
     「文字列の値のみ対象」チェックを入れます
     「カラー表示」  チェックを入れます
 (注)カラー表示にチェックを入れておくと大変見やすくなります。デフォルトでは赤字で表示されます。


②「抽出」をクリックしますと、「抽出が完了しました。」と表示され、以下のようになります。
 ‘win’、’wins’、’won’を含む英文のあるD列に「1」のフラッグがついています。


③最後に、Excelのオートフィルタ機能を使って、D列に「1」のフラッグのついた業だけを集めます。Excel 2013では、A1にカーソルを置き、メニューより[データ]―[フィルタ]を選択。D列の▼をクリックし、「検索」に「1」を入力し、OKをクリックします。以下のようになります。


検索条件を増やし、3つ以上の語句について検索を試みましたが、4つ以上でも検索はできます。また、検索する文字列が英語だけでなく、日本語でも同様に検索することができます。

5.EasyConc_tagged.xlsmを用いた検索の方法

―先生が文法標識を用いて学習者の苦手とする表現を調べられます!

(1)EasyConc_tagged.xlsmの開発について

EasyConc_tagged.xlsmは、チャットなどのコミュニケーション活動で学習者が英語で言えなかった表現を日本語で書いてもらい、その日本語を英訳し、英文に文法標識を付与した学習者のための日英パラレル・コーパスです。
EasyConc_tagged.xlsmでは、文法標識のタグを活用して学習者の苦手表現を調べることができます。例えば、loseの過去形と過去分詞形はlostで同じ形ですので、過去形のlostをEsyConc_tagged.xlsmで検索すると、過去分詞形のlostまでヒットしてしまいます。このような場合には、lost_VVD(VVDは過去形の文法標識)として、EasyConc_tagged.xlsmで検索すると過去形のlostを含む表現だけを検索できます。またlost_VVN(VVNは過去分詞形)で検索すれば、loseの過去分詞形だけを含む表現を検索することができます。
EasyConc_tagged.xlsmの英文には文法標識が付与されています。文法標識の意味は、http://ucrel.lancs.ac.uk/claws7tags.html を参照下さい。

(2)EasyConc_tagged_v.1.1.xlsmの使い方

①プログラムのダウンロードについて
下記のURLにアクセスし、「EasyConc_tagged_v.1.1.xlsm」をダウンロードします。デスクトップに保存しておくと便利です。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc_tagged_v.1.1.xlsm
ダウンロードするファイル:Latest Release EasyConc_tagged_v.1.1.xlsm
             Older Version EasyConc_tagged_v.1.0.xlsm
②検索方法
面倒な操作はいりません。
・ EasyConc_tagged_v.1.1.xlsmをダブルクリックし、起動します。このとき、「i保護ビュー 注意―インターネットから入手したファイルは、ウイルスに感染している可能性があります。編集する必要がなければ、保護ビューのまましておくことをお勧めします。」と表示されることがありますが、「編集を有効にする」をクリックします。

・続いて、CtrlキーとKキーとを同時に押して、マクロを立ち上げます。下図を参照してください。


・検索式のボックス1~5に順番に語句を入力します。例えば、loseの過去分詞形lostを含む表現を調べたいときには、下図のように入力します。lost_VVNの「VVN」は過去分詞形を示す文法標識のタグです。
「検索形式」で「タグなし」にチェックを入れておくと、文法標識を取り除いた形で検索結果が表示されます。

最後に、OKをクリックします。Sheet 2に下記の検索結果が表示されます。


③検索のヒント
「検索のヒント」をクリックすると、検索式の例が示されています。検索式を作成するときの参考にして下さい。
英単語の直後につく文法標識のタグの意味はURLをクリックすると、ブラウザが起動して、http://ucrel.lancs.ac.uk/claws7tags.htmlのサイトが表示されます。


(3)さらに進化したEasyConc_tagged3.0.xlsmの使い方

EasyConc_tagged3.0.xlsm以降では、中学・高校・大学別に学習者の苦手とする表現を文法標識から検索することができるようになりました。また、これまでと同様に、文法標識の検索式の入力もクリック一つで検索式ボックスへ入力が簡単にできます。

①プログラムのダウンロードについて 下記のURLにアクセスし、「EasyConc_tagged3.2.xlsm」をダウンロードします。デスクトップに保存しておくと便利です。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc_tagged3.2.xlsm
ダウンロードするファイル:Latest Release EasyConc_tagged3.2.xlsm
             Older Version: EasyConc_tagged3.1.xlsm
                    EasyConc_tagged3.0.xlsm
                    EasyConc_tagged2.6.xlsm
                    EasyConc_tagged2.5.xlsm
                    EasyConc_tagged_v.2.4.xlsm
                    EasyConc_tagged_v.2.3.xlsm
                    EasyConc_tagged_v.2.2.xlsm
                    EasyConc_tagged_v.2.1.xlsm
                    EasyConc_tagged_v.2.0.xlsm
                    EasyConc_tagged_v.1.1.xlsm
                    EasyConc_tagged_v.1.0.xlsm

②検索方法(EasyConc_tagged3.0.xlsmを例に説明します。)
面倒な操作はいりません。
・EasyConc_tagged3.0.xlsmをダブルクリックし、起動します。このとき、「i保護ビュー 注意―インターネットから入手したファイルは、ウイルスに感染している可能性があります。編集する必要がなければ、保護ビューのまましておくことをお勧めします。」と表示されることがありますが、「編集を有効にする」をクリックします。続いて、「iセキュリティの警告 マクロが無効にされました。」と表示されますが、「コンテンツの有効化」をクリックします。

・続いて、CtrlキーとKキーとを同時に押して、マクロを立ち上げます。下図を参照してください。「Pattern」シートがアクティブになります。


・最初に、調べたいと思う学年を「j中学」・「s高校」・「u大学」から選択します。

・次に、「Pattern」のA列にあるセルをダブルクリックすると、そのパターンが「第1検索式」のボックスに転記されます。
例えば、「j中学」・「s高校」を対象に、A列の「*_VB* *_VVN*」と「*_VB* *_VDN」(受け身形)をダブルクリックすると下図のようになります。


「表示形式」で「タグなし」にチェックを入れておくと、文法標識を取り除いた形で検索結果が表示されます。 最後に、OKをクリックします。Sheet 2に下記の検索結果が表示されます。


③検索のヒント
EasyConc_tagged3.0.xlsmでは、「Pattern」は必要に応じて、追加することができます。また、「Pattern」を検索式のボックスに直接手入力することもできます。タグの入力は「タグ一覧表」のシートを表示して、セルをダブルクリックすれば、そのタグが検索式のボックスに転記されます。

(4)タグ付きコーパスから多数の文字列パターンを含む英文の検索

EasyConc_tagged_v.2.0.xlsmは、一度に5つの検索式まで入力し、検索することができますが、それを超える文字列パターンを検索する場合はこの操作を繰り返す必要があります。手間のかかる作業となりますので、別な方法を考えます。
始めに、EasyConc_tagged_v.2.0.xlsmの英語の部分を取り出したコーパスEasyConc_tagged_v.2.0_e.txtを作成します。以下のURLからダウンロードすることができます。

http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc_tagged_v.2.0_e.txt

このタグ付きコーパスから関係詞節や接触節を含む英文を検索します。手順は以下の通りです。

①目視で、EasyConc_tagged_v.2.0_e.txtのコーパスに含まれる関係詞節や接触節を含む英文をすべて拾い出します。
(例)
290_MC One_MC1 of_IO accessories_NN2 I_PPIS1 bought_VVD was_VBDZ 400_MC yen_NN ._.
587_MC I_PPIS1 could_VM n't_XX buy_VVI a_AT1 book_NN1 I_PPIS1 wanted_VVD in_II the_AT bookstore._NNU
(以下省略)

②次に、①で拾い出した英文から関係詞節や接触節の部分(網掛け)を拾い出します。
(例)
accessories_NN2 I_PPIS1 bought_VVD
book_NN1 I_PPIS1 wanted_VVD
(以下省略)

③続いて、②で作成した文字列を、正規表現を用いた文字列に書き直します。以下のようにします。
・サクラエディタを用いて、置換をします。
 検索―置換
 置換前¥w+_
 置換後¥¥w+_
 正規表現に?を入れます。
・次に、サクラエディタで重複行を削除します。
 Ctrl+Aでテキスト全体を選択します。
 Alt+Aで選択範囲を昇順に並べかえます。
 Alt+Mで選択範囲をマージします。(つまり重複行を削除します。)

以上の手順を踏んで作成した関係詞節や接触節の文字列パターンのファイルがpattern_of_rel_pron_v2.txtです。以下のURLからダウンロードすることができます。

http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/pattern_of_rel_pron_v2.txt

④AntConc3.4.4wのadvanced search機能で関係詞節や接触節の文字列パターンを検索します。
・File―Option File(s)で、EasyConc_tagged_v.2.0_e.txtを選択し、「開く」を選択。
・Search Window Sizeを100に設定(文長を長く設定可能)。
・AdvancedをクリックしAdvanced Searchのウインドウが開きます。以下のように設定します。
・Advanced Search TermのRegexに?。
 ?words □case ?Regex
 ?Use search term(s) from list below
 [Load File]をクリック
 pattern_of_rel_pron_v2.txtを選択し、「開く」をクリック。最後にApplyをクリック。続いて「Start」をクリック。
・最後に、File―Save Output to Text Fileで保存しておきましょう。

関係詞節や接触節の文字列パターンのファイルpattern_of_rel_pron_v2.txtを一度作成しておくと、EasyConc_tagged_v.2.0_e.txtのコーパスデータが今後増えても、AntConc3.4.4wのadvanced search機能を利用することによって関係詞節や接触節の文字列パターンを含む英文を容易に検索することができます。

⑤検索結果を読みやすくするために、一部のタグを取り除きます。下記の方法で、すべてのタグを取り除くことができるわけではありません。
・サクラエディタを用いて、置換をします。
 検索―置換
 置換前(_¥w+|_.)
 置換後
 正規表現に?を入れます。

⑥検索結果には、関係詞節や接触節以外のものも含まれます。関係詞節や接触節だけをすべて自動的に抽出することはできません。最後に目視による確認が必要となります。

6.EasyConc for Accessの開発と活用

―Windows PCでAccessを用いて、日英パラレルコーパスEasyConcのデータを活用する方法

EasyConc for Accessは北村広志氏(玉川大学)のご協力により開発したアプリケーションソフトウエアです。データベースソフトAccessを使用することにより、表計算ソフトExcelで開発してきたEasyConc for Excel.xlsmより検索速度が速まるものと思われます。

(1)ダウンロードの方法

・下記URLからEasyConc for Accessをダウンロードします。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc1.2.accdb
ダウンロードするファイル:Latest Release: EasyConc1.2.accdb
             Older Versions: EasyConc1.0.accdb

(2)EasyConc for Accessを用いた検索方法

・検索メニューの空欄に検索したい語句を入力します。下記は、検索語が「買い物」と「渋谷」で、「検索(そして)」の例となります。学習者からの質問文の日本語に、「買い物」と「渋谷」の二つの語句が含まれている日本語とその英語の文を検索しています。
・検索語句が英語の場合には「and search」または「or search」をクリックしてください。日本語の場合には「検索(そして)」または「検索(または)」をクリックしてください。
・最初に戻る場合には、検索欄に入力した検索語を「クリア」をクリックして消します。
・検索結果の例
 「検索メニュー」
  検索語:「買い物」「渋谷」
  検索方法:「検索(または)」


・なお、EasyConc1.2.accdb以降から、「TAGで検索」の機能も追加しています。文法標識のtagはPaul Rayson氏のご厚意によるものです。御礼申し上げます。
Tagが付与されることで、「made」が過去形で用いられているのか、あるいは過去分詞で用いられているのか、その区別が容易になります。
 「TAG検索」
  検索語:made
  タグの選択:「VVN」(動詞の過去分詞を表します)



7.Chromebookのスプレッドシートを用いて日英パラレルコーパスEasyConcのデータを活用する方法

(1)Chromebookを用いたファイルのダウンロードの方法

・Chromebookで下記URLからEasyConc6.0 for Chromebook.xlsxをダウンロードします。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc6.0 for Chromebook.xlsx
ダウンロードするファイル:Latest Release EasyConc6.0 for Chromebook.xlsx
             Older Versions EasyConc5.5 for Chromebook.xlsx
                     EasyConc5.4.2 for Chromebook.xlsx
                     EasyConc5.4.1 for Chromebook.xlsx
                     EasyConc5.3.8 for Chromebook.xlsx
                     EasyConc5.3.6 for Chromebook.xlsx
                     EasyConc5.3.5 for Chromebook.xlsx
                     EasyConc5.3.4 for Chromebook.xlsx
                     EasyConc5.3.3 for Chromebook.xlsx
                     EasyConc5.3.2 for Chromebook.xlsx

・Chromebookで上記のURLをクリックすると、自動でEasyConc6.0 for Chromebookが開きます。
・次に、「ファイル」―「Googleスプレッドシートとして保存する」を選択。

(2)Chromebookを用いた検索方法

検索方法として、3つの方法があります。「検索結果を一例ずつ見たい場合には、①の方法」で行います。また「検索結果をまとめて一覧表で見たい場合には②または③の方法」で行います。

①検索結果を一例ずつ見たいとき

EasyConc5.5 for Chromebookを開きます。 [編集]―[検索と置換]。「検索」で「下記のように入力」し、「すべてのシート」を選択、「大文字と小文字の区別」、「正規表現を利用した検索」。最後に「検索」をクリック。
*正規表現のきまりを知りたい場合は「ヘルプ」をクリック。

・正規表現を用いた検索例
生徒から、「~対・・・で試合に勝つ」と言いたい時、どういったらよいかわからないという質問を受けた時、下図のように入力して調べることができます。


②複数の語句を検索する場合には、「フィルタ検索」機能を使用します。

EasyConc5.5 for Chromebookで使用することが可能です。
B1セルをクリック。「データ」メニューの「フィルタを作成」―「条件でフィルタ」の「なし」を「カスタム数式」に変更。「値または数式」の欄に検索式をコピー&ペーストし、OKをクリック。


③検索結果をまとめて一覧表で見たいとき

・EasyConc6.0 for Chromebookを開きます。

検索方法
日本語検索の場合には、下の「日本語検索」シートをクリックし、A1に日本語を入力し、リターンで検索結果が表示されます。
また、英語検索の場合には、下の「英語検索」シートをクリックし、A1に英語を入力し、リターンで検索結果が表示されます。

「日本語検索」シートを使用した例
検索語:買い物
    渋谷
(And検索となります。検索結果の一文に「買い物」と「渋谷」が表示されています。)


Ⅱ.英語教師のためのEasyConc活用ガイド

11th Annual CamTESOL Conference
Compilation of the Learner Bilingual Corpus and Its Use in Class: Making Teaching Materials Using “EasyConc.xlsm”

12th Annual CamTESOL Conference
Finding the Expressions EFL Learners Find Difficult: the Compilation and Use of “EasyConc_tagged.xlsm”

全国英語教育学会 第42回埼玉研究大会
コミュニケーション能力育成のために―日英パラレルコーパスEasyConc.xlsmとEasyConc.fmp12の開発と活用について
EasyConc.fmp12

Ⅲ.複数のワードリストを一つにまとめる
― wordlist_merger.xlsmの使い方

複数のコーパスのワードリストを一つのワードリストにまとめると便利なことがあります 。複数のワードリストを一つにまとめるソフトとしてwordlist_merger.xlsm を使用します。

(1)プログラムのダウンロードについて

下記のURLにアクセスし、「wordlist_merger.xlsm」をダウンロードします。デスクトップに保存しておくと便利です。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/wordlist_merger1.0.xlsm
ダウンロードするファイル:wordlist_merger1.0.xlsm

(2)使い方

面倒な操作はいりません。

①起動方法
wordlist_merger.xlsmをダブルクリックし、起動します。このとき、「i保護ビュー 注意―インターネットから入手したファイルは、ウイルスに感染している可能性があります。編集する必要がなければ、保護ビューのまましておくことをお勧めします。」と表示されることがありますが、「編集を有効にする」をクリックします。続いて、「iセキュリティの警告 マクロが無効にされました。」と表示されますが、「コンテンツの有効化」をクリックします。

②複数のワードリストの準備
はじめに、あるコーパスから作成した複数のワードリストをご用意ください。wordlist_merger.xlsmを用いて、複数のワードリストを一つに結合するとき、各ワードリスト内に同一単語で大文字と小文字とがあっても、かまいません。

③複数のワードリストを一つにまとめる方法
・wordlist_merger.xlsmを起動。「iセキュリティの警告 マクロが無効にされました。」と表示されますが、「コンテンツの有効化」をクリックします。
・Sheet2のA2, B2のセルに、②で作成したワードリストをコピー&ペーストで貼り付けます。Sheet2のA2以下の列には単語を、B2以下の列にはその単語の出現頻度を貼り付けます。
・次に、Sheet3のA2, B2のセルに②で作成したワードリストをコピー&ペーストで貼り付けます。Sheet3のA2以下の列には単語を、B2以下の列にはその単語の出現頻度を貼り付けます。

さらに②で作成したワードリストがある場合には、Sheet4のA2, B2のセルにそのワードリストをコピー&ペーストで貼り付けます。
・Sheet2のタブをクリックしアクティブにします。キーボードの[Ctrl]+[Shift]+[M]キーを押すことにより、マクロを実行します。その結果は、Sheet1に反映されます。
・Sheet 3のタブをクリックし、アクティブにします。同様に、[Ctrl]+[Shift]+[M]キーを押すことにより、マクロを実行します。その結果、Sheet 1にはSheet 2とSheet 3の二つのワードリストが結合されて表示されます。
さらにワードリストがある場合には、同様の操作を繰り返しますと、Sheet 1には、複数のワードリストが一つにまとめられて表示されます。ワードリストの数には制限はありません。

Ⅳ.英語の授業や学習者のSelf-studyに役立つ語彙学習ツール FlashCard

外国語学習で語彙の学習はつきものですし、語彙を知らなければコミュニケーションは成立しません。先行研究 にも以下の記述があります。

… while without grammar very little can be conveyed, without vocabulary nothing can be conveyed.
(D.A. Wilkins, 1985: 111)

Provided one knows the appropriate vocabulary, then some form of interchange of language is possible. Without the vocabulary it is impossible.
(D.A. Wilkins, 1985: 111)

教師が授業でどのように語彙指導を進めたらよいのか、また学習者がどのような学習を行うことによって語彙を習得していくことができるのか大きな課題です。英語の語彙学習を促進するツールとしてFlashCardを公開します。英語の授業でまた学習者自らの語彙学習でご利用いただければ幸いです。

(1)ワードリストのCSVファイルを作成し、EasyConc for FlashCard4.1.fmp12で使用する場合

―英語の読み上げ機能の追加

EasyConc for FlashCard4.1.fmp12は、これまでのFlashCard4.0.fmp12を継承し、さらに進化しました。英語部分の読み上げ機能が追加されています。開発にあたっては内藤清志氏(玉川大学)の協力を得ています。
iPadでは、「英語の読み上げ」を「On」にし、「表示間隔」の「手動」を選択しますと、英語部分を読み上げてくれます。iPhoneは「手動」のみですので、そのまま英語部分を読み上げてくれます。
また、iPadでは簡単に単語の登録も行えます。「Management(管理画面)>New Record>登録したい単語とその意味を入力」するだけです。登録した単語も英語の部分を読み上げてくれます。
この読み上げ機能はText to Speechの技術活用しており、中高生の英語学習の家庭での自学習に役立つものと思います。ご利用ください。

FlashCard3.3.fmp12はlandscape mode(横向き)とportrait mode(縦向き)の両方に対応しています。用途に応じてどちらかを選択することができます。

Landscape mode(横向き)の長所

教室でプロジェクターに写しながら、英語から日本語へ(受容語彙のトレーニング)、日本語から英語へ(発信語彙のトレーニング)の練習に適しています。

Portrait mode(縦向き)の長所

自学習として英語から日本語へ、日本語から英語への練習に適しています。

準備

FileMaker Go 19 for iPad & iPhoneをiPadまたはiPhoneにインストールします。

ワードリストのCSVファイルとEasyConc for FlashCard4.1.fmp12の導入方法

FileMaker Go 19 for iPad & iPhoneのインストールが完了したら、データファイルEasyConc for FlashCard4.1.fmp12を導入します。ファイルの導入方法は、下記のいずれかの方法で可能です。
・該当者のメールアドレスに送る。
・iTunes経由で導入する。
・Webサイトからファイルをダウンロードする。

Webサイト(http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/)からEasyConc for FlashCard4.1.fmp12のファイルをiPhoneまたはiPadにダウンロードする(保存する)方法

下記のURLにアクセスし、「EasyConc for FlashCard4.1.fmp12」をiPhoneまたはiPadにダウンロードする。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/EasyConc for FlashCard4.1.fmp12
ダウンロードするファイル:Latest Release EasyConc for FlashCard4.1.fmp12
              Older Version FlashCard4.0.fmp12
                     FlashCard3.3.fmp12
                     FlashCard3.2.fmp12(Landscape mode)
                     FlashCard3.1.fmp12
                     FlashCard3.0.fmp12
                     FlashCard2.0.fmp12
                     FlashCard1.0.fmp12

ファイルの導入が終わり、iPadまたはiPhoneのアイコンをタッチし、FlashCard3.3.fmp12をオープンします。

起動画面

FlashCard3.0.fmp12を例に説明します。

FlashCardを使用する機器を選択します。

※iPad,iPhoneのバージョン違いは以下のとおり

  iPhone iPad
Flash_Card 日⇒英 Random機能
Flash_Card 日⇒英 Sequential機能 ×
Flash_Card 日⇒英 Auto(自動再生) 2sec.機能 ×
Flash_Card 日⇒英 Auto(自動再生) 3sec.機能 ×
Flash_Card 日⇒英 Auto(自動再生) 4sec.機能 ×
Flash_Card 英⇒日 Random機能
Flash_Card 英⇒日 Sequential機能 ×
Flash_Card 英⇒日 Auto(自動再生) 2sec.機能 ×
Flash_Card 英⇒日 Auto(自動再生) 3sec.機能 ×
Flash_Card 英⇒日 Auto(自動再生) 4sec.機能 ×
Send_Mail機能
管理画面 ×
・csvインポート
・csvエキスポート ×
・全件削除 ×
・新規レコード作成 ×
・1件削除 ×

以下、iPadを選択した場合の解説となります。

スタート画面

FlashCard設定
・表示順 :日本語→英語、英語→日本語の順番を選択します。
・表示設定 :Random、Sequentialを選択します。
・表示間隔 :手動、2秒、3秒、4秒を選択します。
 ※2~4秒を選択した場合、表示設定はRandomになります。
・Startボタン :FlashCardを実行します。
・Send_Mailボタン :メーラーが起動し、特定のメールアドレスにメールを送る準備をします。

※iPadのみ
・Managementボタン :管理画面に移行します。

※iPhoneのみ
・CSV_Readボタン  :CSVファイルを読み込みます。

Flash_Card画面

※Random,Auto画面             ※Sequential画面
:センテンス表示領域 英語、日本語が交互に表示されます。
:Japanese、English、Next_Recordボタン
 センテンス表示領域が切り替わります。
:レコードが移動します。
 ??最初のレコードに移動します。
 ? 1つ前のレコードに移動します。
 ? 1つ先のレコードに移動します。
 ??最後のレコードに移動します。
:Start画面に戻ります。

管理画面


・Importボタン :「flashcard.csv」ファイルをインポートします。
・Exportボタン :全データを「flashcard.csv」ファイルに出力します。
・All Deleteボタン :全データを削除します。
・Deleteボタン :1件削除します。
・New Recordボタン :新規レコードを追加します。

管理画面では、日本語、英語ともに修正が可能です。修正したいフィールドをタップし、必要に応じて修正してください。
(日本語上部に表示されているNo.については修正できません。)

CSVファイルのインポート

FlashCard Ver3.0にcsvファイルをインポートすることができます。
手順は以下のとおりです。

  1. Start画面上部の「Import」ボタン(iPhoneは「CSV_Read」ボタン)をタップし、「URLから挿入」ダイアログが表示されるので「OK」ボタンをタップします

  2. csvファイルが表示されますので問題がなければ画面右下「CSV_Import」ボタンをタップします

  3. 現在登録されているデータ削除の確認ダイアログが表示されますので、「はい」をタップしてください

  4. csvファイルがインポートされ、一覧が表示されます。
    表示データに異常がなければ、画面右上の「Start」ボタンをタップしスタート画面に戻ってください。
    表示データに異常がある場合は、画面右上の「Start」ボタンをタップし、再度csvファイルの確認、インポートを行ってください。

    ※csvファイルが「UTF-8」形式でない場合、日本語が正常に表示されません。
     (後術のCSVファイルの作成方法を参照ください)

データのエキスポート

iPad版FlashCardでは、データをcsvファイルに出力し、メール等を利用しデータの送信・活用が可能です。
手順は以下のとおりです。

  1. Start画面上部の「Export」ボタンをタップし、「フィールドを選択」ダイアログが表示されるので『完了』をタップします。

  2. 画面左上の「」をクリックし、「操作」メニューが表示されるので、「起動センター」をタップします。

  3. 送信したいファイル「flashcard.csv」を選択し、「」をタップします。

  4. メニューから「メールで送信」をタップし、メール送信します。

データの削除

iPad版のFlashCardでは、データの削除(全件・1件)を行うことができます。
手順は以下のとおりです。

  1. 全件削除する場合、画面上部「All Delete」ボタンをタップし、確認ダイアログが表示されるので、「はい」をタップしてください

  2. 1件削除する場合、該当レコード右側「Delete」ボタンをタップし、確認ダイアログが表示されるので、「はい」をタップしてください

レコードの追加

iPad版のFlashCardでは、レコードの追加入力ができます。

  1. 新規レコードを追加する場合、画面上部「New Record」ボタンをタップし、日本語、英語を入力してください。
    ※ No.については、自動付番となっており、変更できません

データファイル削除

FlashCardファイル、csvファイルを削除する場合、以下の手順で削除してください。

  1. FlashCardを起動した状態で、画面左上のアイコンをタップし、操作メニューから「起動センター」を選択します。

  2. 画面下部の「デバイス」をタップします。

  3. 画面右上の「チェックマーク」をタップします。

  4. 削除したいファイルを選択し、「ごみ箱」アイコンをクリックします。

CSVファイルの作成方法

csvファイルの作成条件、作成手順は以下のとおりです。

作成条件:
Excelにて作成し、csv形式で保存します。文中に「,」が入っているとFileMaker Goが正しく認識できないため、「§」(セクション)を代わりに入力してください。「§」はcsvファイルインポート時に自動的に「,」に変換されます。

作成手順:
  1. Excelにデータを入力(連番、日本語、英語の順)しcsv形式で保存するファイル名は「flashcard.csv」としてください。「flashcard.csv」とすることで、「Import」ボタン(iPhoneは「CSV_Read」ボタン)でワードリストのデータを削除し、差し替えすることが可能になります。
    (「,」は使用せず、「§」を代用してください。)

  2. csvファイルをメモ帳にて開き、名前を付けて保存を選択し、文字コードに「UTF-8」を指定し、上書き保存してください。

  3. iPadないしiPhoneあてにメールにてcsvファイルを送ってください。
  4. 送信されたcsvファイルを長押しし、FileMaker Goにコピーしてください。
    (iPad2の動作環境では、送信されたcsvファイルを長押しし、「開く」を選択し、リストが表示されたらタップし、のアイコンが現れたらそれをタップし、「FileMaker Goにコピー」を選択して下さい。)

(2)教室での使用に特化したFlashCard3.2.fmp12の開発
―Landscape mode(横向き)で、プロジェクター(または大型モニター)で映写

FlashCard3.2.fmp12は、iPhoneまたはiPadを用いて、教室でプロジェクターからスクリーンに(または大型モニター)で映しながら語彙学習を行うために、Landscape mode(横向き)にしてあります。Landscape mode(横向き)にすることによって画面が広くなり、語彙の文字サイズを大きく見せることが可能になります。教室でプロジェクターで写しながら、英語から日本語へ(受容語彙のトレーニング)、日本語から英語へ(発信語彙のトレーニング)の練習が一層しやすくなります。
下記のURLにアクセスし、「FlashCard3.2.fmp12」をiPhoneまたはiPadにダウンロードしてください。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/FlashCard3.2.fmp12
ダウンロードするファイル:Latest Release FlashCard3.2.fmp12
             Older Versions

(3)BingoSheet for FlashCard.xlsmの開発
―Word game (Bingo)で「書く力」をつけるのに役立ちます

FlashCard3.2.fmp12を授業で活用することで、学習者が英語を見て発音し、その表示される意味を確認する活動(receptive use)、続いて、表示された日本語を見て、その英語を発音する活動(productive use)を行うことが可能になります。
これらの活動に加えて、学習者が「書く作業」を行うために、BingoSheet for FlashCard.xlsmのソフトウエアを開発しました。

①プログラムのダウンロードについて

下記のURLにアクセスし、「BingoSheet for FlashCard.xlsm」をダウンロードします。デスクトップに保存しておくと便利です。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/BingoSheet for FlashCard.xlsm
ダウンロードするファイル:Latest Release BingoSheet for FlashCard.xlsm

②使い方

① BingoSheet for FlashCard.xlsmをダブルクリックし、起動します。このとき、「!保護ビュー 注意―インターネットから入手したファイルは、ウイルスに感染している可能性があります。編集する必要がなければ、保護ビューのまましておくことをお勧めします。」と表示されることがありますが、「編集を有効にする」をクリックします。続いて、「!セキュリティの警告 マクロが無効にされました。」と表示されますが、「コンテンツの有効化」をクリックします。

②Bingoシートの選択
・右上の「Hop」、「Step」、「Jump!」のどれかのボタンを選択します。(これにより、内部のマクロが起動します。)「Hop」を選択すると、9語、「Step」では16語、「Jump!」では25語まで選択可能です。
・「Hop」ボタンを選択し、Englishの列のセルをダブルクリックすることで「Hop」のBingo Sheetの表のEnglishに英語の語句が自動に入力されます。同時に、その日本語表現がJapaneseのシートに自動入力されます。
・最後に、左下の「Hop(3×3)」のシートをクリックするとBingoの表が完成しているはずです。印刷し、授業でご活用ください。
・なお、「Hop」ボタンなどでマクロを開始した後、中断したくなった場合は「保存しないで終了」ボタンで、一度、ブックを閉じてください。

(4)PowerPointでFlashcardを作成(Windows用)

ここでは2つの方法を示したいと思います。①にあるようなwordlistを用いて作成する場合と、②にあるようなwordlistを用いて作成する場合の2つに分けて作成方法を示します。

①英語の語句の下にその対応する日本語が書かれているwordlistの場合

・Word 2016での操作
Wordを起動。以下のように入力します。入力した後は、[校閲]―[スペルチェックと文章校正]で入力ミスがないか確認。


最後にファイル名をつけて、保存。

・PowerPoint 2016での操作
・PowerPoint起動。[挿入]―[新しいスライド]を選択し、[アウトラインからスライド]を選択。上の1で保存したファイルを選択し、挿入をクリック。
・「Ctrl+A」で全スライドを選択してから、右クリックで、[レイアウト]、[タイトルスライド]の順でクリック。
・自動的にカードがめくられるようにするために、[画面切り替え]をクリック。
「Ctrl+A」で全スライドを選択してから、[画面切り替えのタイミング]の[クリック時]の?をはずし、[自動的に切り替え]に?を入れて「00:02.00」(2秒間隔の切り替えの場合)とする。
最後に、[スライドショー]―[最初から]をクリックすれば授業で使えます。

②英語の語句とそれに対応する日本語が横一列になっているwordlistの場合

・Excelでの操作
最初にエクセルで下記のようなワードリストを作成します。


・Wordでの操作
・Excelシートの英単語と日本語を選択し、右クリックでコピーを選択する。Wordを起動し、右クリックし、Aのアイコン(テキストのみ保持)をクリックする。
・[ホーム]―[置換]を選択。[オプション]をクリックし、「あいまい検索」の?をはずす。
  検索する文字列 ^t
  置換後の文字列 ^p
最後にファイル名をつけて、保存。


・Power Pointでの操作
・Power Point起動。[挿入]―[新しいスライド]を選択し、[アウトラインからスライド]を選択。上のWordで保存したファイルを選択し、挿入をクリック。
・「Ctrl+A」で全スライドを選択してから、右クリックで、[レイアウト]、[タイトルスライド]の順でクリック。
・自動的にカードがめくられるようにするために、[画面切り替え]をクリック。
「Ctrl+A」で全スライドを選択してから、[画面切り替えのタイミング]の[クリック時]の?を外し、[自動的に切り替え]に?を入れて「00:02.00」(2秒間隔の切り替えの場合)とする。
最後に、[スライドショー]―[最初から]をクリックすれば授業で使えます。

③日本語の訳を見てそれを英語で言えるように練習する(発信語彙の練習)

上記の1と2は、英語の語句を見て、生徒たちは先生の後について発音練習をし、意味を確認する方法となります(需要語彙の練習)。次に、発信語彙の練習としては、日本語を見て、英語で発音できるようにしたいものです。
以下のようにExcelを活用すると、日本語から英語へと簡単に並べかえることができます。
・Wordで作成したwordlistで並べ替えしたい範囲を選択し、コピー。
・Excelを起動し、コピーをB列に貼り付け。
・ExcelのA列には、数字の「1」から連番の数字を入力。
・選択した範囲を降順で並べ替え。
・Excelで降順に並び替えたリストをコピーし、Wordにテキストとして貼り付け。これをPowerPointに取り込み、flashcardとして使用します。

Ⅴ.小学校外国語活動で役立つデジタル教材―FlashCardE2.0.fmp12の活用

FlashCardE2.0.fmp12は、基本動詞likeを用いて言語活動を行えるように作成したデジタル教材です。
スポーツ名、動物、食べ物、果物・野菜(『Hi, friends!』に出現する単語)について自分の好きなものを言うことができるようになります。また、友達の好きなものを聞くことができるようになります。

【収録した単語一覧】
【収録した単語一覧】

(1)はじめに、iPadまたはiPhoneへFileMaker Goのインストール

FileMaker Go 13 for iPad & iPhoneをiPadまたはiPhoneへインストールします。FileMaker Go 13 for iPad & iPhoneは無料でインストールできますが、iOS 6以降で稼働します。詳細はファイルメーカー株式会社のサイトをご確認ください。

(2)次に、PCからiPadまたはiPhoneへデータファイルのインポート<方法1>

①下記のURLにアクセスし、「FlashCardE2.0.fmp12」をPCのデスクトップにダウンロードします。

http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/FlashCardE2.0.fmp12
ダウンロードするファイル:Latest Release FlashCardE2.0.fmp12
             Older Versions FlashCardE1.0.fmp12

②ダウンロードしたFlashCardE2.0.fmp12をFileMaker GoへiTunes経由でインポートします。次のようにします。

・iPadとPCをUSBケーブルで接続します。
・「iTunes」のデバイスから該当するiPadを選択して、「App」タブの「ファイル共有」欄から「FileMaker Go」を選択します。
・「FileMaker Goの書類」にPCのデスクトップにある「FlashCardE2.0.fmp12」をドロップして、「同期」ボタンをクリックします。

(3)Webサイト(http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/)からFlashCardE2.0.fmp12のファイルをiPadにダウンロードする(保存)する方法 <方法2>

・iPad/iPad miniの「Safari」アプリでWebサイトにアクセスします。保存したいFlashCardE2.0.fmp12をタップします。
・「"FileMaker Go”で開く」が表示されますので、「"FileMaker Go”で開く」をタップします。
・FileMaker Go にFlashCardE2.0.fmp12がダウンロードされ、FileMaker Goのアプリに追加されます。

(4)使い方

以下、FlashCardE1.0.fmp12を例に説明します。

①起動画面

iPhoneまたはiPadのアイコンをタッチし、「FlashCardE1.0.fmp12」を開きます。 起動画面は以下の通りです。

①起動画面

②設定画面

iPadをクリックすると以下のように表示されます。

②設定画面

③操作方法

・最初の〇を選択し、イラストをクリックすると、下のウインドウにイラストの単語badmintonがあらわれます。Speakをクリックすると発音します。
・I like__.の前の〇をクリックし、イラストをクリックすると、下のウインドウにI like badminton.の英文が現れます。Speakをクリックすると発音します。
・Playingの前の〇をクリックし、イラストをクリックすると、下のウインドウにI play badminton.の英文が現れます。Speakをクリックすると発音します。
・Word & Textやその他の項目は画面のように設定しておくと使いやすいです。

(5)FlashCardE.fmp12を実際の授業でどのように活用するか

指導手順として、下記の①ができるようになったら②へ、②ができるようになったら③へ、③ができるようにったら④へとステップを踏んで進めていきましょう。

①イラストの単語が言えるようになるために

イラストの単語の発音を聞きます。聞いた音をまねして言ってみます。

②イラストの単語が英語で言えるようになったら、I like ___.の文が言えるようになるために

イラストの単語を含む文I like ___.を聞きます。
 →聞いた音をまねして言ってみます。
  →自分の好きなものについて英語で言ってみます。

③I like ___.の文が言えるようになったら、Do you like ___?の疑問文が言えるようになるために

イラストの単語を含む文Do you like ___?を聞きます。  →聞いた音をまねして言ってみます。

英語でやりとりができるようになるために

自分の好きなものについて、I like ___.と言えるようになったら、そのものについて、友達にDo you like ___?と聞いてみます。

Ⅵ.小中学生のためのデジタル教材―ReadingTool.fmp12の活用

マザー・グースの中には、英語の授業で役立つものが少なくありません。英語の音を楽しむだけでなく、英語の文化をも知ることができます。ReadingTool.fmp12は、小中学生がマザー・グースの童謡に親しみながら英語の音や文化に親しんでもらうようにと開発されたものです。
ReadingTool.fmp12には以下の作品が収められています。Rainでは、イギリスの子供たちが晴れの日を望む気持ちは、日本の子供たちが、てるてる坊主を作り窓辺に吊し、晴れの天気を願う気持ちと同じです。Humpty Dumptyは、あまりに有名で、多くの人が一度は聞いたことがある「なぞなぞ」です。Twinkle, Twinkle, Little Starでは、夜空に輝く星をtwinkleで表現しています。Bow-wow, says the dogでは、動物の鳴き声から英語のオノマトペを自然に学ぶことができます。The Mouse and the Clockは、出だしの呪文も面白いですが、写実的なネズミのイメージが心に残ります。There Was a Little Green Houseでは、in the little houseが繰り返され独特のリズムを作り出しています。The House that Jack Builtは、よく知られている「積み上げ話」です。

(1)はじめに、iPadへFileMaker Goのインストール

FilaMaker Go 15 for iPad & iPhoneをiPadにインストールします。
FilaMaker Go 15 for iPad & iPhoneは無料でインストールできますが、iOS 9.3以降で稼働します。

(2)次に、PCからiPadへデータファイルのインポート <方法1>

①下記のURLにアクセスし、「ReadingTool1.0.fmp12」をPCのデスクトップにダウンロードします。

http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/ReadingTool1.0.fmp12
ダウンロードするファイル:Latest Release ReadingTool1.0.fmp12
             Older Versions

②ダウンロードしたReadingTool1.0.fmp12をFileMaker GoへiTunes経由でインポートします。次のようにします。

・iPadとPCをUSBケーブルで接続します。
・「iTunes」のデバイスから該当するiPadを選択して、「App」タブの「ファイル共有」欄から「FileMaker Go」を選択します。
・「FileMaker Goの書類」にPCのデスクトップにある「ReadingTool1.0.fmp12」をドロップして、「同期」ボタンをクリックします。

(3)Webサイト(http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/)からReadingTool1.0.fmp12のファイルをiPadにダウンロードする(保存)する方法 <方法2>

・iPad/iPad miniの「Safari」アプリでWebサイトにアクセスします。保存したい ReadingTool1.0.fmp12をタップします。
・「"FileMaker Go”で開く」が表示されますので、「"FileMaker Go”で開く」をタップします。
・FileMaker Go にReadingTool1.0.fmp12がダウンロードされ、FileMaker Goのアプリに追加されます。

(4)使い方

①起動画面

iPadのアイコンをタッチし、「ReadingTool1.0.fmp12」を開きます。 起動画面は以下の通りです。

①起動画面

②設定画面

iPadをクリックすると以下のように表示されます。

②設定画面

③操作方法

・最初に1~7のマザー・グースの中から聞いてみたいものを選び、〇を選択します。中程のウインドウにイラストが表示されます。そのイラストをクリックすると、英文が下のウインドウに表示されます。Speakをクリックすると、英文を読み上げてくれます。
・イラストの右側にある英文をクリックすると、下のウインドウにクリックした英文が表示されますので、Speakをクリックすると読み上げてくれます。
・単語欄にある単語をクリックすると、下のウインドウにクリックした単語が表示されますので、Speakをクリックすると読み上げてくれます。
・Volume、Pitch、Rate、Expandの項目は画面のように設定しておくと使いやすいです。

Ⅶ.小中学生のための英語教材の開発と授業での活用実践例

小学校編 1

デジタル教材には、一見するとすぐにでも教室で使えそうな動画も多くありますが、教師が手間暇かけて用意した教材にはそれなりの良さがあります。丹精込めて作った家庭料理にはレストランの料理にない良さがあるのと似ています。
ReadingTool.fmp12の教室での扱い方は以下のようにするとよいと思います。
・最初に、教師がプレゼンテーションしながら大筋の意味をつかませます。
・次にReadingTool.fmp12を利用して、もう一度お話を聞かせます。
・家庭で聞いてみたいと思う児童には、教材としてReadingTool.fmp12を配付します。

実践例を以下に示します。
最初は、There Was a Little Green Houseに出てくるイラストを見せながら、教師が紙芝居の要領でお話を聞かせます。(太字がお話の英文です。)

実践例

このように教師がイラストを用いてプレゼンテーションをした後で、ReadingTool.fmp12のThere Was a Little Green Houseをもう一度、聞かせます。
ReadingTool.fmp12はiPadで動作しますので、家庭で何度でも繰り返し聞きながらイラストにあわせて英語の音に触れることができます。家庭でも使用することができるのがデジタル教材の良さと言えます。

小学校編 2

1. 英語の読み物を授業で活用しませんか

イソップ寓話は世界中の多くの人たちに親しまれてきました。お話しの中には小学生にも共感できるたくさんの教訓や知恵が込められています。英語の読み物として活用することを提案したいと思います。教材作成にあたっては、Steve Lia氏(玉川大学)、丸林咲里氏のご協力を得ています。
Web上には、多数の英文の読み上げソフトがあり、まだまだ改善の余地がありますが、利用してみる価値はあります。フリーウエアの英文読み上げソフトを用いて授業に活用してみます。

(1)最初に、英文の読み上げソフトのNaturalReader Freeをダウンロードし、インストールします。

(2)次に、下記URLからThe North Wind and the Sun.pdfをダウンロードし、NaturalReader Freeに読み込ませます。
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/The North Wind and The Sun.pdf
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/The Hare and the Tortoise.pdf
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/The Boy and the Sheep.pdf

(3)NaturalReader Freeを起動し、「+ Add New」をクリックし、Add NewのDocumentsをクリックし、The North Wind and the Sun.pdfを選択します。これで物語を再生することができます。再生する際には、iPadを横向きに使用するとよいです。

2. オーセンティック教材の活用

英文の読み上げソフトは、個々の単語の発音練習に役だっても、文脈の中でのイントネーションや文強勢が単調になってしまいます。児童や生徒が気持ちを込めて英語を言うことができるようになるためには自然に話される英語の真似るモデルが必要となります。そのためにも、オーセンティックな読み聞かせ教材を活用してみてはいかがでしょうか。教材作成では、McKenna Mears氏とJustin Speer氏のお二人にご協力をいただきました。

女性の声による読み聞かせ教材
・最初に、下記URLから教材をダウンロードします。Zip形式で圧縮していますので、解凍します。解凍はダウンロードしたファイルを選択し、右クリックで「すべて展開」を選んでください。
・解凍すると各フォルダ内には、音声ファイル(拡張子が.mp3)とパワーポイントのファイル(.pptx)が入っています。パワーポイントのファイルをダブルクリックし、「スライドショー」を選択すれば読み聞かせが始まります。

http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/The North Wind and The Sun_f.zip
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/The Hare and the Tortoise_f.zip
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/The Boy and the Sheep_f.zip

男性の声による読み聞かせ教材
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/The North Wind and The Sun_m.zip
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/The Hare and the Tortoise_m.zip
http://www.tamagawa.ac.jp/research/je-parallel/The Boy and the Sheep_m.zip

3. 教室での実践的な活用方法―iPad (または、iPhone)での使用

(1)初めに、iPad(または、iPhone)にPowerPointのアプリケーションがインストールしてあることを確認してください。

(2)読み聞かせ教材をダウンロードし、解凍します。フォルダ内にある拡張子が「.pptx」のついたファイルを使用します。以下のようにします。
・The North Wind and the Sun_fを解凍し、そのフォルダ内のThe North Wind and the Sun.pptxを使用します。
・The Hare and the Tortoise_fを解凍し、そのフォルダ内のThe Hare and the Tortoise .pptxを使用します。
・The Boy and the Sheep_fを解凍し、そのフォルダ内のThe Boy and the Sheep.pptxを使用します。

(3)iTunesを使ってPCにある読み聞かせの教材ファイル(例えば、The North Wind and the Sun.pptx)をiPad(または、iPhone)へ転送します。iTunesの「ファイル共有」で「PowerPointの書類」の中に、コピー&ペーストします。「同期」続いて、「終了」をクリックします。

(4)iPad(または、iPhone)のPowerPointを起動し、スライドショーを用いて教材を提示します。

4. 読み聞かせから、dramatizationへ

英文読み上げソフトを授業でどのように活かしたらよいか、小学校5年生、6年生を対象にその活用実践を述べたいと思います。
手順は以下の通りです。

(1)読み上げソフトあるいは教師がピクチャーを用意し、読み聞かせを行います。
最初は、「一気読み」でお話しの概略を知ります。(1回目)
次は、「場面読み」で各場面にフォーカスします。(2回目)
(一時停止ボタン(||)→戻り(<<)、そして再生ボタン(記号)を使用します。)

(2)Dramatizationによって物語をAct outします。
お話しがわかったところで、役割を決めて、体で表現し、英語を言ってみましょう。 先ず、スクリプトに沿って、英語の音を頼りに、英語を言ってみます。
英語が言えるようになったら、グループ内で役割を決め、感情を込めて、体を使って演じてみましょう。
グループごとに演じることができるようになったら、クラスで発表してみましょう。

<スクリプトの例>

Narrator*(     )*最初は先生またはAETが担当されるのがよいと思います。
The North Wind(     )The Sun(     )
The Traveler(     )

The North Wind and the Sun begin a fight.
The North Wind: I am strong.
     The Sun: No, you are not. I am strong.

     The Sun: Look at the traveler on the road. I can strip the traveler of his coat.
           Can you do it?
The North Wind: Of course, I can.

The North Wind sends a cold wind. The Wind blows very hard, but the traveler holds his coat tightly. The Wind gives up.

Then the Sun shines. It becomes very warm.
 The Traveler: I’m hot.
At last, the traveler takes off his coat and sits down under a big tree by the road.

中学校編

科研費の支援を受けて開発された「日本人英語学習者のための日英パラレル・コーパス」の検索ツールであるEasyConcを活用することによって、いろいろな教材を開発することができます。『中学生のための英語表現BINGO』(明治図書)もEasyConcを用いて開発された教材の一つです。著者の一人、仲先生の公立中学校での活用実践を紹介します。

『中学生のための英語表現BINGO』活用実践例

目黒区立第八中学校教諭 仲 圭一

Day1

1.【Let’s play Bingo!】(p. 58)
ワークシートを配布し、BINGOの単語を全て発音練習する。
宿題としてBINGOの枠内に単語を埋めてくるよう指示をし、次の時間に活動を行うことを予告する。

Day2

1.【Let’s play Bingo!】(p. 58)
授業の最初にBINGOの実施。BINGOで使用する単語全ての発音練習をする。9単語のみ確認。
何列BINGOになったか確認をする。
2.【Let’s Chat!】ペアでCHATの練習を行う。(p. 58)
モデル対話文を暗記してパート音読を行う。制限時間は40秒間。覚えきれていない英語は見てもよいが、顔を下げた状態で英語を読んではいけない。相手の顔を必ず見る。会話を受け取る方も相手の顔をしっかりと見て英語を聞く。自分の読む予定の次の英文の確認はしない。
3.【Let’s Chat!】モデル対話文の下線部this weekendをthis eveningに換えてオリジナルの対話文練習を行う。制限時間は40秒間。40秒間は会話が途切れないよう頑張って続けるようにさせる。
4.【Let’s Chat!】2ペアほど、オリジナルチャットの発表をさせる。

(モデル対話文の例)

 What are you going to do this weekend, Jiro?
 I’m going to see Mr.Children live.
 Sounds exciting!


Day3

1.【Let’s Chat!】モデル対話文の下線部this weekendをnext weekendに換えてオリジナルの対話文練習を行う。制限時間は40秒間。40秒間は会話が途切れないよう頑張って続けるようにさせる。
2.【Let’s Chat!】2ペアほど、オリジナルチャットの発表をさせる。
3.【Exercise 2】(p. 59) 問題演習Exercise 2の穴埋め問題を解くように指示をする。穴埋め問題が終わったら、Exercise 1 (p. 59)の和訳問題をするように指示をする。2分程度で解くように指示をする。Exercise 2の解答確認。最初に教師が英文を読み、生徒は音で答えを確認する。その後、文字で確認を行う。
4.Exercise 1の和訳は宿題として仕上げてくるよう指示をする。分からない単語は自分で調べてくるよう指導する。

Day4

1.【Let’s Chat!】モデル対話文の下線部this weekendをnext weekendに換えてオリジナルの対話文練習を行う。制限時間は40秒間。40秒間は会話が途切れないよう頑張って続けるようにさせる。
2.【Let’s Chat!】2ペアほど、オリジナルチャットの発表をさせる。
3.【Exercise 1】問題演習Exercise 1の英文の発音練習を行う。和訳の確認をする。

Ⅷ.現場型リサーチのための映像アーカイブ

中学校2年生を対象に、下記の14回にわたる英語の授業実践を行いました。この授業実践では、インタビューをビデオに録画し、映像アーカイブとして保存しました。被験者からはビデオによる録画とそのあとのデータの書き起こし、また学習者の発話分析の研究に活用することについて許諾を得ています。ご協力いただいた皆様に心から御礼申し上げます。
なお、この映像アーカイブは、日䑓滋之(研究責任者)の管理下に置いて、学内においてのみ活用できる限定的なものです。

活用方法1 学習者の発話分析への活用

下記の映像アーカイブの学習者の発話を全て書き起こし、学習者の発話分析をすることによって、学習者の発話の特徴を知ることができます。英語を話すことを得意とする学習者の発話の特徴を分析することによって、英語を話すことを苦手とする学習者の指導に役立てることができます。

活用方法2 日英パラレルコーパス構築への活用

下記のアーカイブにある活動では、活動後に、毎回、学習者が英語で言いたかったけれど言えなかった表現を日本語で書いてもらい、授業後にALTとその日本語を英語に直し、EasyConc.fmp12、EasyConc.xlsmiに取り入れて日英パラレルコーパスを構築してきました。学習者がどのような表現を苦手なのか知ることができ、英語の授業で学習者にフィードバックすることにより学習者の英語の表現能力を高めることに役立てることができます。

映像アーカイブ一覧

Interview Challenge 裏番組
  Date Topic 内容
1学期
第1回
April 25
May 2
Picture Description of Lesson 3, Section 1 & 2 教科書Lesson 3, Section1, Section 2の内容をALTと会話する。 ・多読
・Blue Book
(Listening教材)


Study Report Cardへ記入し、提出。
第2回 May 9
May 16
Talking about the life during Golden Week ゴールデンウイークについてALTと会話する。
第3回 May 23
June 6
Talking about this weekend life be going toを用いて今週末の予定をALTと会話する。(Book 2 Talk 3)
第4回 June 13
June 20
Talking about things you’re interested in, like school subjects and sports, etc. 好きな教科やスポーツを話題など自分の興味・関心のあることについてALTと会話する。
第5回 June 27 Talking about the story of Lesson 4 in pair 教科書Lesson 4の内容をペアでALTと話す。
2学期
第1回
September 19
September 26
Please tell me about your best friend or your best friends. 即興型スピーキングテスト
・数種類のカードを準備。
・カードに話題を書いておく。
・生徒は順番にカードを引きその話題についてALTと話す。
September 19の話題
Please tell me about your treasure. / Please tell me about your teacher or teachers. / Please tell me about your family.
September 26の話題
Please tell me about your best friend or your best friends. / Please tell me about your favorite place or places in Japan. / What do you do after school?
第2回 October 3
October 10
What is your favorite character? (cartoon character, etc.) October 3rd の話題
Please tell me about your dream. What do you like to do on weekends?
October 10の話題
What is your favorite character? (cartoon character, etc.) Who is your hero? What country would you like to go?
第3回 October 17
November 7
Picture Description of Lesson 6 教科書Lesson 6 Ratna Talks about Indiaの内容をALTと会話。
第4回 November 21
December 5
What is the most popular band in Japan? November 21, December 5の話題
What is the most popular entertainer in Japan? / What is the most popular movie in Japan? / What is the most exciting sport in Japan? / What is the most interesting TV program in Japan? / What is the most popular band in Japan?
3学期
第1回
January 9
January 16
Talking about my winter vacation 冬休みの生活についてALTと会話。
第2回 January 23
January 30
Rehearsal for the 3rd Grade Step test 実際の英検3級二次試験カードA、カードBを用いてテスト。
第3回 February 6
February 13
Picture Description of Lesson 8 教科書Lesson 8 Landmines and childrenの内容をALTと会話。
第4回 February 20 病気・けがなどについて聞くとき Book 2 Talk 5の1時間で全員が発表するスキット なし
第5回 March 13 依頼するとき Book 2 Talk 6の1時間で全員が発表するスキット なし