館蔵資料の紹介 2004年
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斎藤清 作
紙に木版色刷り
縦75×横43cm
1972(昭和47)年
斎藤清(1907-97)は現在の福島県河沼郡会津坂下町に生まれ、郷里の画家成田玉泉に絵を学んだ。1930(昭和5)年に上京。最初は宣伝広告の仕事をしながら、油彩画を制作していたが、1936(昭和11)年に第5回日本版画協会展に初入選して以後は、おもに版画制作の道を歩んだ。戦後、1951(昭和26)年に第1回サンパウロ・ビエンナーレ展で「凝視(花)」が在サンパウロ日本人賞を受賞。同年アメリカのサンタバーバラ美術館で個展を開催し、以後1957(昭和32)年アメリカ各地、1964(昭和39)年ホノルル、1977(昭和52)年チェコ各地、また国内でも数多く個展を開催して、国内外で高い評価を得た。
斎藤は日本現代木版画の開拓者のひとりで、日本の風土を豊かな叙情と鋭い色感でとらえた風景作品や草花、人物をテーマとした作品などで知られている。この作品は当館が所蔵する斎藤作品4点のうちの1点で、林の向うに沈む夕日を彼特有の感覚で表現し、大胆でありながらも繊細な画面をつくりだしている。