研究室概要

認知工学研究室

認知工学研究室　ＶＳ　生体情報工学研究室　軟式野球試合（１９９７）

1.認知工学とは

　この研究室は、平成元年(1989年)に開設された工学部では最も新しい研究室である。認知工学をいう名称は新造語で、人間を頂点とする全ての生物に備わっている「外界を認知する」という情報処理の仕組みを明らかにして、それを人間の生活に、そして広くは生物全体のより良い生存に役立つよう、工学的に応用する研究をめざそうという志を表したものである。

　現在、ゲームから科学研究や経理・経営のデータ処理まで、個人および社会生活の全てにわたって幅広く役立っているコンピュータも、実は万能ではなく、人の顔を見分けたり人の話を理解したりという「認知情報処理」には全く歯が立たない。この認知情報処理を、我々の脳は易々を行っている。つまり、脳の神経ネットワークに認知情報処理の秘密が隠されていることになる。認知工学研究室では、生体情報工学研究室や情報理論研究室とも共同で、その秘密を明らかにしようとする世界的に最先端の研究に取り組んでいる。

2.研究内容

　視覚的認知の神経情報処理の研究に的をしぼって研究している。視覚的認知には、見ている対象が何であるかを認知するための情報処理(対象認知情報処理)と、見ている対象の視野内の位置や対象間の位置関係などを認知するための情報処理(空間認知情報処理)の二つがある。これら二つの認知情報処理は、脳内の別々のルートで行われることが分かってきた。

　認知工学研究室では、上記の二つの認知の側面のうち、空間認知に対象を絞り、空間認知の手がかりである様々な視覚的運動の見え方を認知心理学的に追及すると同時に、その認知の原因となる脳内神経情報表現について研究している。

　このような研究に必要な運動画像をコンピュータグラフィックスで作成し、計測された実験データを処理する為のソフトウェアの開発なども行う。　卒業研究生、大学院学生はこれらの研究に参加して、研究するとはどのようなことかを学ぶ。

Cognitive Engineering Laboratory,Tamagawa University
hohno@lab.tamagawa.ac.jp