―開発の目的―
長野パラリンピック以降障害者スポーツも多くの人達に知られてきた。そのような中、障害者スポーツに使う為の道具もかなりの進歩を遂げている。しかし、障害者スポーツに使われる道具はあまり需要がないため、長野パラリンピックで選手達が使う為の道具しか開発されなかった。
チェアスキーも現在日本で製作されているものは日本代表選手のために開発されたもだけである。これらはオーダーメイドで選手にあわせて作り、さらに競技に出場して勝つために多くの工夫がされているため値段が極めて高い。外国で作られたチェアスキーで安価なものもあるが日本のチェアスキーに比べて使いにくい点がいくつかある。その為、チェアスキーをやりたいと思っていてもやることが出来ない人が数多くいる。そこで、障害者が気軽にスキーを楽しむことが出来るように、安価で十分な性能を持つチェアスキーの開発を目的きとし、材料費と加工費を最小限に抑えること、初心者でも乗りやすい構造を目指している。
―開発案―
1.価格について
1)45万円でパラリンピック用に開発されたもの(Fig.17)があるが、汎用機は20万円以下が望ましい
2.仕様
1)単独でリフトに乗れるリフトアップ機能付き
2)ガスダンパーは高価であるのでそれに代わるものを考案
3)以前は手動式(Fig.18)だが安かった
4)初心者にも扱いやすく、バランス保持を考慮する
5)リフトアップユニットを設置し、チェアスキー本体を安くする(行動範囲は狭くなる)
6)ニックのイノベーションなどを参考にする(Fig.19)
7)サスペンションはある程度のものが必要(Fig.20)
8)フレームの材質は強度を考慮しA7000相当以上とする
3.シート
1)来シーズンは協会で制作不可能となる
2)市販のものを利用する(Fig.21)
―開発の歴史―
●平成12年 1月
開発案決定(トモ) 、その後玉川大学で開発方針を決定
●平成12年4月
一号機完成(手塚製作所にて1台製作)
●平成12年5月
一号機を雪上における試乗テストをザウスにておこなう
●平成12年9月
二号機完成(手塚製作所にて1台製作)
●平成12年10月
二号機を雪上における試乗テストをザウスにておこなう
●平成12年10月
シート開発(従来のものはポリ系樹脂材による手つくりのものをFRPにて製作)
●平成13年1月
三号機完成(台湾にて15台製作)
●平成13年2月
三号機を全国にモニターとして試乗してもらいテストをおこなう
●平成13年8月
アウトリガー完成
●平成13年9月
四号機完成(手塚製作所にて1台製作)
●平成13年10月
四号機を雪上における試乗テストをザウスにておこなう
●平成13年12月
五号機完成予定