トレーニングコース2012 受講者の声(霊長類)
私は『霊長類を用いたシステム神経科学の基礎実習コース』に参加しました。定員は6名と少人数でしたが、様々な大学から学部生・大学院生が参加しており、脳科学に興味があるという共通点を除くと、現在の研究対象も研究内容も多彩でした。
講義では、霊長類の単一神経細胞記録について実験計画の立て方、手術の手法、計測手法、データ解析など体系的に学びました。私は霊長類で研究を続けたいと思っているので、詳細な講義内容が今後の研究内容を具体的に考える上で非常に助けになりました。他にも筋電・眼電・行動解析等の他の指標について学び、神経活動記録と組み合わせることにより、さらに研究に広がりを持たせることができることを講師の方々に具体的に教えていただきました。
座学以外にも、動物達が課題を遂行している間、神経活動データを取得しているところを間近で見せていただきました。目の前の個体の神経活動が画面に波形として現れる様子を目にし、研究の醍醐味を感じることができました。また、実際に動物達が行っている課題を私たちも予備知識なしで行い、動物達が非常に難しい課題を行うことが可能であることを実感し、霊長類を研究することの意義を改めて感じました。
また、コースの中日にはJam Sessionというイベントが設けられており、ランダムに振り分けられたグループで共通議題についてディスカッションを行いました。グループ内のディスカッションでは、非常にモチベーションの高い学生もいて刺激を受けました。最後にグループごとにプレゼンテーションを行ったのですが、それぞれが独創的な意見を発表しており、研究を進める上で他の研究者との意見交換、脳科学における他分野の方の視点の大切さを痛感しました。
全日程、講師の方々が生き生きと研究内容について話してくださり、参加者が終始笑顔で自由に発言・質問できる雰囲気だったのが印象深かったです。非常に有意義な勉強の機会と交流の場を設けてくださった玉川大学脳科学研究所の皆様方にお礼を申し上げます。
(早稲田大学 菊池瑛理佳さん)