草戸千軒の発掘調査ではおびただしい数の遺物が出土しました.ここに紹介する道具はその一部です.これらの道具を見て当時の人々の生活を想像してみて下さい.
「くつわ」(左)は馬の口につけて「手綱」でひきます.牛の鼻輪(右.ひだり)も牛をひく時になくてはならないものですね.どちらも田畑を耕したり,荷物を運ぶのに使われました.「馬くし」(右.右)は馬の毛並みをそろえるくしです.今でも馬や牛はブラシやクシで手入れされます.
「すき」は現代のスコップと同じで,木製の「すき」の刃の部分だけが鉄で作られました(左.左)ワラをたたく道具も最近まで同じものが使われていました(左.右) 鎌は稲や麦の刈り入れや雑草を刈るための大切な道具です.今の物と全く変わりません(右)
下駄はぬかるんだ道を歩く時には便利なはきものですね,日本人は弥生時代から下駄をはいていました.(左) つむいだ糸を巻き付ける「糸巻き」(右)織物も盛んに行われていました.
羽子板(はごいた)は日常のスポーツでした(左) 「ぎっちょう」は現代のホッケーと同じで,木のボールを棒でたたいて競い合いました.「ぎっちょうの棒」(右.左)とボール(右.中),そして「こま」(右.右).いつの時代にも遊びはありました.
「火きり木」と「火きり板」(左)棒を回転させて火をおこしました.他には火打石(火打石)も使われました.現代のマッチとライターと言うわけですね. 「こし」は荷物や人を運ぶ道具です(右)
位牌(いはい)(左.左),荷札(左.中),何かが書いてある板(左.右) おまじないに使った人形の板(右)
「かわら」の一部(左)と,薄板を曲げて入れ物にした「曲げ物」(まげもの)(右),この曲げ物は水を入れていたようです.
「灯明」はこのお皿に油と芯(しん)を入れて,それを燃やして明かりにしました(左) 明かりには「灯ろう」もありました.(右.右)どちらかと言うと「灯明」は家の中で,「灯ろう」は家の外での明かりとして使われました.燭台(しょくだい)(右,左)にロウソクをさして灯ろうの中に入れました.
これらの遺物や,復元された町並は「広島県立歴史博物館」に展示してあります.ホームページや写真で見るのと本物とでは迫力が違います.皆さんもぜひ一度はこの博物館を訪れてみてください.仕事がら,各地の博物館を見ているゲンボー先生ですが,おすすめの博物館です.
場 所 広島県福山市 JR「福山駅」のすぐそばにあります.
休館日 月曜日
「草戸千軒」のホームページに行く 「草戸千軒遺跡」のことが大変に詳しく紹介してあるページです.