山では猟(りょう)をしました.


目次

落とし穴のいりょく  弓矢のいりょく


貝塚(かいづか=たくさんの貝がらをすてた場所.主に人のすまなくなった住居のあなや,村の回りにあります)を発掘すると,必ずと言ってよいほど「イノシシ」や「シカ」の骨が出てきます.他には鳥やサル,ウサギなどが見つかっていますが,一番多いのが,シカとイノシシです.

縄文人たちは「弓矢」や「わな」でこれらの動物をとって食べていました.シカやイノシシは肉を食べるだけでなく,角や牙(きば)は,釣り針や,もり,あるいはペンダントに加工されました.それだけではなく皮は「なめ」服やひもに加工されました.

縄文人にとって,イノシシやシカはとても大切な動物でした.ですから,いろいろな方法で狩りをしたと考えられています.

落とし穴のいりょく

シカは群れ(むれ=沢山の数でいること)でいることが多いので,大勢の人で落とし穴やわなに追い立ててとることもありました.

これは落とし穴の断面図です.一度落ちたら二度と出てくることはできないかたちになっています.

 

この落とし穴にはとがった棒(ぼう)がさしてあるので,イノシシはその棒に刺さったり,身体がはさまってみうごきができません.右の写真は遺跡から発見された落とし穴を上から写真にとったものです.4つの穴は棒がさしてあったあとです.戻る

弓矢のいりょく

弓矢はとても大切な狩りの道具でした.縄文時代のほとんどの遺跡から黒耀石(こくようせき)やチャートといった石で作った石鏃(せきぞく=やじり)が発見されています.

水を飲みにきたシカを待ち伏せしてねらっているところです.弓の中には「うるしぬり」の素晴らしい出来上がりものも見つかっています.

石鏃(せきぞく=やじり)です.遺跡のあるところでは時々ひろえることがあります.矢の先には毒をぬることもありました.毒はトリカブトと言う植物の根からとりだします.

トリカブトです.きれいな花がさきますが根は猛毒です.写真提供植物画と写真

とった「えものは」その場で解体(かいたい=内臓をとりだしたりすること)します.イノシシの肉は今でも「ボタン鍋」といい,とてもおいしいものです.縄文時代の人はこれを蒸焼きにしたり,煮込んだり,くんせいや塩漬けにして食べたと思われます.食べてみたいですね・・・

ところで,イノシシの土偶(どぐう=土を焼いて作った人形)は多くの遺跡から見つかっていますが,シカの土偶はとても発見された数が少ないのです.学者の中にはイノシシはもしかしたら人間に飼われて(かわれて)いたかもしれないと言う人もいます.

イノシシの土偶(縄文時代中期)

 

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