ステレオプリメインアンプ

SONY TA−F333ESJ

重たい匡体に対して、明るく少し軽めの音。
しかし、決してハリのない音ではない。

 最初、このアンプを選んだ理由は、音がどうとかという問題以前に、テープレコーダーが3台繋げる事、出力段がこのクラスでは、まだ珍しかったMOS−FET使用の出力段である事、の理由で購入した。
 音の方は、以前使っていた物に比べて、繊細かつ明るくスピード感に富んでおり、小編成の室内楽、ベースやドラムをあまり使っていない歌謡曲(主に小室哲哉系の曲)を聞くのにうってつけである。
 このことは、オールFETアンプ構成であるこのアンプの強みであるが、バイポーラトランジスタを出力段に持つアンプに比べては、低音をのびのび鳴らす事に少々欠けており、ここは、個人の好みによる所であろう。

 匡体に関しては、SONYのESシリーズらしく重くかつ恐ろしいほど頑丈である。
 Gシャーシと呼ばれる複合素材を特別な形状に加工した非金属、非磁性のシャーシ、大容量のコンデンサーとトランス、インピーダンス8Ω時で100Wものパワーを絞り出す最終段のパワートランジスタを冷却するアルミダイキャストの櫛形ヒートシンク、今では珍しくなった鉄製の天板等、各要所に重くかつ固い素材が使われており、総重量は、21.3kgに達する

 個人的な意見として、ヒートシンクをダイキャストではなく、砂型鋳物で作った方が金属の密度が低くなって、パワートランジスタが音圧による振動をより受けにくくなるのでは、と思った。余談ではあるが、このアンプは、AB級のアンプらしからぬ程、発熱が大きい。冬場でも、3〜4時間使っていると部屋が暖房なしでも過ごせるほどである。冬はいいけど、夏場にこれを使うと部屋は、灼熱地獄と化す。天板も、触れるか否かというほどに熱くなる。
 このアンプの対局に位置するものとして、PIONEERのA−04というアンプがあるが、それぞれ一長一短であろう。
 現在このアンプには、CDプレーヤー、チューナー、録音メディアを4つ(その中の一つは、イコライザーを接続する所を用いている)接続している。
 もう、生産完了品ではあるが、よく設計されているアンプである。

スペック

 
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